アンドロイドは人形使いの夢を見るか

 月末になると毛が抜ける。笑い事じゃないってば。
 僕の頭頂にはブラックホール模様があります。これをYou are the Universeと言うのか。
 違うか。そうか。
【サイバーパンク】
 先日ニコニコ動画で、88年のゲーム「スナッチャー」の動画を見つけまして、それ以来いわゆるサイバーパンクにはまりました。

 いや、めっちゃ好きだったんですよ。スナッチャー。
 中学時代、友人(言うまでのなくヒロポン)の家の雑誌コンプティークで特集を見て以来、やりたくってやりたくってやりたくって仕方ありませんでした。でも、誰も持っている友人が居らず、悶々とした中学時代をすごした後、5年後に大学時代になってからプレステ版で体験したのが僕のチェリー喪失体験でした。したくってしたくってしたくって堪らなかった事を初めて経験したときの衝撃。骨盤から脳髄に突き抜ける快感。溢れんばかりの幸福感。
 何言ってるんですか僕は今スナッチャーの話しかしてませんよ。
 でも、スナッチャーを購入してオープニング観たとき(上記映像)は真剣にそう思いました。
 しかもOpeningのBGM、SaxメインのFusion…僕に狂えと言わんがばかりです。
 この世界観、好きなんですわ…。退廃と有機無機Mixとアジアンテイストな混沌とチューブライクな生々しい未来予想図。僕的にはウィンカー5回鳴らしたら「コ・ワ・レ・テ・ル」のサインです。ブレードランナー、未来世紀ブラジル、マトリックス、バトルランナー、トータルリコール…観まくりました。アニメを見る趣味がなかったので、甲殻機動隊とかカウボーイビバップとかアキラには手付かずですが、これから観ます。はい。草薙素子が魅力的という断片的な知識だけ入ってます。
 そのくせ、いわゆる「サイバーパンク小説」は余り読んできませんでした。読んでたのは電気羊~くらい。ニューロマンサーもモナリザ・オーヴァードライブも読んでません。決して古典主義ではないですけど。最近では「電脳コイル」もこのジャンルに入るのかな?(Wikipediaによる)これでも英文科出身といえるのか。
 なので、最近の読書はこの分野を取り戻すかのように専ら海外SFばかりです。昨日伊坂幸太郎にはまってる言うたばかりなのに。ええ、無節操なのです。
 ファミコンウォーズの傍らAcidJazzを聴きながらニューロマンサー。世界観がちゃんこ鍋です。
 誰か一緒にサイバーパンク話を肴に呑みましょう。
 いろいろ教えてください。うぶなので。
 今だからこそ敢えて時代はサイバーパンクです。
 言葉の響きがいまさらながら気に入った。
 仕事がサイバーなので、家庭がパンクです。訳がわかりません。
 僕の頭頂から見える頭皮はきっと電脳世界にジャックインするためのプラグ差込口なのです。ここからマトリックスに旅立って僕はカウボーイになるのです。僕は選ばれし民なのです。そんな哀れむような目で見るな。
 でも一番好きなSFは夏への扉です。ハインライン万歳。

偏狭読書情報

 本当に生活がおかしい。


 昨日まで連休かと思いきや、明日も休みである。更に明後日は昼出社である。これは一体どうしたことか。僕は仕事を干されているのか。出来損ない社員なのか。週に3日も休みが有った事など今まであるだろうか。いや、無い。


 とはいえ、明日は前職場で仕事があるのだが、それを入れてもゆとりがありすぎる。ありすぎて不安である。こういう人間をワーカホリックと言う。月々決まった給料がもらえない生活を続けていると、こういう性格が出来上がるのである。日雇い人生真っ只中…じゃないはずなのだが。性格の問題か。


 そんな毎日なので、読書量も増える増える。良いことである。うくく。


 
【ジョッキー】


 


 競馬のお話。一言で言うとそれだけですが、競馬が好きで小説が好きな人なら間違いなく楽しく読める娯楽小説でしょう。こういった人間模様は大好きです。変に馬を擬人化することも無く、ジョッキーを英雄化することも無く、普通に生きる人間として描かれているのが素晴らしい。20代後半、取り立てて売れるわけでもなく、勝ち鞍に恵まれているわけでもなく、でも営業するのも苦手で、生活に困って、…と言う騎手の周りに、尊敬する先輩がいて、生意気な後輩がいて、温情にあふれる調教師がいて、横柄な馬主がいて…ちょっとステレオタイプなイメージではありますが、それはそれ。娯楽と思えば充分楽しめます。


 【耳そぎ饅頭】


 



 僕は町田康を読むとすぐ感化されます。大好きなのです。

 彼の小説、エッセイは読むものではなく、朗読するものですね。声に出して抑揚をつけて、自分の人生を重ねて叫ぶと、とても良い気持ちになれます。僕だけでしょうか。


 【正しい保健体育】


 


 素晴らしい。これはフザケタ本ではありません。まじめに人生を考える人のための本です。全面的に賛成します。かみさんにも読ませます。


  【柔らかな頬】


 


うーむ。暗い。日本人はオシナベテこういうのが好きなのかなぁ。

自分の後ろ暗い行動の最中に自分の娘を失って、さまよい続ける女性の話。こう書いても救いが無いな。うーむ。うーむ。うむむむむ。2時間ドラマみたい。


全然関係ないけど、昨日たまたま二時間ドラマを見てたら、とても久々に小川範子を見た。若い頃は全然ピクともしなかったけど、今見ると可愛いな。可愛い30代である。ヨメに欲しい。そういえば大学の同窓生だったんだよな。一度キャンパスですれ違った事があります。「お、可愛い子」と思って振り返って、よくよく考えてみたら小川範子でした。ピクとしました。なんだ、若い頃から可愛いんじゃないか。許す。


  【クリアトロン~創造性遺伝子~】





 100人のクリエイターのインタビュー集です。意見の合う人から合わない人から、いろいろいます。でも、そのモノ作りのパワーに圧倒されます。これに負けちゃ仕事できません。これを頭から読めば、タフになれます。


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頁半ばにマイルス・デイビスの大きな写真がある。


そこにはこう書いてある。


「”What is the creativity for you?”」と問われたデイビス。
彼はただ一言こう答えたという。


「Ego!!」


これはこの本の主旨の象徴といっても過言ではない。

(レビューより)

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読書感想文




 通勤時間が長いっつうのは、活字マニアにはたまりませんね。でも年取ると、何読んだか覚えられませんね。今でも変わらず一日一冊ペースは保ってますが、3日前に何読んでたか全く思い出せなくなりました。読んだ先から忘れてます。だめマン。ぷぅ。


【Naked Lunch / William S. Burroughs】





 30代のオヤジが読む本じゃありません。




 でも好きです。


 でもこの本が好き、と言う奴は嫌いです。




【IceBound / Dean Koontz】






 Koontzは、著書「ベストセラー小説の書き方」でエラそうに売れる小説の書き方を訓たれてましたので、「よっしゃ、どんなもんか読んだろやないけ」と思って読んでみました。


 うん。確かに。エラそうなだけあります。巧い。巧すぎる。10万石饅頭。ぱちぱち。


 文章職人だなぁ。と思います。ストーリーにしろ文体にしろ、マイナスになる部分が無い。全てが高品質を保ってます。「Naked Lunch」みたいな纏わりつく魅力はさすがに無いけれど、間違いなく人にオススメできる小説ですね。
 映画好きな方は是非どうぞ。「Naked Lunch」と違って、当たり外れは全くありません。


【エンドハウス殺人事件 / クリスティ】

【鳩の中の猫 / クリスティ】







 僕を圧倒的に凌ぐボリュームで本を読むうちのかみさんに




              / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\

         /           \

         /              ヽ

   / ̄\ l      \,, ,,/      |  ポアロシリーズ

  ,┤    ト |    (●)     (●)   |  読め!

 |  \_/  ヽ     \___/     |

 |   __( ̄ |    \/     ノ

 |    __)_ノ

 ヽ___) ノ



  と言われて、読みはじめました。つかあんた仕事も家事もしないで昼寝と本ばっかり(略)。でも読書家の女性が好きなので、結構満足してます。


 ポアロ面白れーじゃん。やな奴だけど。なんで今まで読んでこなかったんだろ。読むものが偏ってたんですね。推理モノちーとも読んでこなかったので。


 本来ならABCかオリエントから読むのが普通なのでしょうが、行徳の図書館には置いてなかったので、この辺から攻めてます。


【宇宙船ガリレオ号 / ハインライン






 僕を圧倒的に凌ぐボリュームで本を読むうちのかみさんに




              / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (略)




と言うわけで、その昔ハインラインの著書「夏への扉」を読んで嵌ったんですね。いや、もう、ああ、すごいですよ。ハインラインは。「夏への扉」はみんな読みましょう。「夏への扉」が好きな人に悪い人はいません。


 パソコンばっかりやってて本読む暇が無いはここからでも良いから触れてみてください。


 2ちゃん・夏への扉 AA


 僕の中の面白かった本ベストランキングでは確実に10位以内に入ります。


 で、宇宙船ガリレオ号ですが


 夏への扉、に比べるとちょっと古めかしさが先に立ちますね。まあ、少年小説と読めば、それはそれで面白いかと。いやもちろん、世にある小説群の中では充分面白い部類に入るけどね。ハインライン作、と言うとそれだけで期待値があがるもので。


 科学好きな少年達3人が、悪戦苦闘しながら月行きのロケットを作り上げ月旅行してハイル(略)と言うお話です。「?」と思った人は是非読んでみて下さい。


 でも先に読むなら「夏への扉」だよなぁ。むっちゃ面白いよ。


 ★★色々言ったけど、今日一番のオススメ★★

 

 僕は現在、自宅から会社まで電車で片道約1時間(市川~板橋)かかるため、その間をどのように過ごすかが僕の人生の一大プランとなっています。なんたって、一週間で往復計10時間を電車内で過ごしてるわけだからね。一ヶ月だと40時間!10秒連射ができれば、864,000回転で(略)(略)(略)(略)しおれけるなり我が金玉。


 で、最近、通勤中はパーネルホールの作品を愛読してます。


 Links to Parnell Hall


お人よしで気弱な探偵・スタンリー・ヘイスティングスが活躍しないで問題を解決する一連の推理小説群を書いてる人です。

あんまりねぇ、推理小説って読まないんだわ。頭悪くて、途中で何がどうなってるのか分らなくなるのよ。ページめくったら「あら、こいつ死んでたんだっけ?」とか、「何時の間にアリバイがあったの?」てな感じで。読んでて取り残された気分になるんです。なんつうか、一言一句神経を張り巡らせてきちんと読んでいかないといけない小説ってのがついていけないんです。そんなに注意力無いんです。勘弁してください許して下さい。延々と探偵の独白なんかが続いたりすると眠くなるんです。「ページを4,5ページうっかり飛ばしても伝わる分る推理小説」なんてないですかな。そもそも飛ばし読みする奴が悪い。

江戸川乱歩は結構好きだったけどね。あれは推理小説じゃないか。


まあ、そんな中で、ホールの作品は区切りがはっきりしてて読み易いです。推理云々でなくスタンリーのおトボケぶりがいい感じ。つうか推理はどうでも良い。推理や理論構築ではなく、単に読み物として面白い。推理小説というか、落語的な楽しさだな。主人公がトボケテルから、読んでるこっちがトボケてても全然気にならない。やっぱねぇ、息抜きで小説読んでるんだから、あまり気合入れないで読みたいよね。本を読むときぐらい、マグロにさせろ。<誰に言ってる?



 ともあれ、パーネルホール、良いですよ。是非読めれ。



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 競馬好きの愛読書・ディックフランシスも読んでみたけど、あれは訳者が悪いのかなぁ、思ったより良さが伝わってこなかったぞ。多分原文ではもっと面白いんだろうなぁという雰囲気はあるんだけど、巧く伝わってないのが読んでてもどかしい。「ああここはとっても力入って面白い文章なんだろうなぁ」と言う雰囲気だけ分って、実際に伝わってこないのがすんごいもどかしい。


 何だかんだ言っても、通勤時間って読書するのが一番落ち着くよね。