なぜ10代に受験勉強をして大学に入った方がいいのか、何故学歴が必要か、と言う問いに対しては、僕はまさにこれで答える。
仕事ができるとか生涯賃金が増えるとか全くもってどうでもいい。
世の中の役に立つ人間になるとかの立派事も一旦置いておく。
自分と同じ知性、同じ視座、同じ価値観を共有できる友人に10代のうちに出会える事。同じ解像度でボケツッコミの会話ができる事。
知識が役に立つとか就職に活きるとか本当にどうでもいい。
同じレベルの知識と反射速度で会話してゲラゲラ笑える仲間がいる人生がどれだけ豊かなことか。
僕が大学に入学した際、まさにこの感覚を味わいました。
僕が高校時代まで誰にも理解されなかった無駄知識が「一般教養」として平準化されている集団に初めて入った時の感動を今でも忘れない。
そして…多分だけど、この「同じ教養/反射速度の会話」が成立する間柄の人間が属する集団がハイコンテクストで、それ故に社会的地位が高い人間が多い集団だとすれば…。
それは結果として学歴がある=社会的地位の高い共同体の中に居やすくなる=経済的に生き易くなる、という図式が成立する。
でも、これはあくまで結果論であり、社会的成功を求めて受験勉強しても、この集団に入る価値観は手に入らない。
僕はただ、くっだらない知識を死ぬほど持ち合わせた同級生たちと、一晩中「カノッサの屈辱的トーク」をしながらゲラゲラ笑ってた大学時代を思い出して懐かしむだけなんだ。