書評

 そう言えば、サイト上で書評ってやった事無かったな。嫌いなわけじゃないんだけどね。最近全然本読まないもので。


 –筒井康隆ドタバタ傑作選1.2/筒井康隆–


 中高とむさぼるように読んでた筒井康隆ですが、社会人になった頃からかな、全然読まなくなってしまったなぁ。真面目に読むと体力使うからね。本に使う僕のエネルギーが少なくなってたんだろうな。んで読書方法を忘れていって、更にエネルギーの使い方を忘れると。悪循環だなぁ。

 久々に筒井康隆をぼりぼり読んで、夫婦そろってケタケタと笑いまくってしまいました。(やな夫婦です。)もう真面目な読み方なんて忘れてしまってます。ただ笑えればそれで良いんです。常識も良識も、全部忘れます。

 それにしても筒井康隆、エネルギーと情熱で文章書いてるなぁ。当然クオリティはアマチュアとは比較にならないんだけど、下手なアマチュア(=物書き好きな青年)に比類しない情熱で書いてるね。ほんと、書きたくって仕方ないっていうのがありありと伝わってくる。作品「急流」にしても、ただ時間の流れの速さという一つの事象から、ものすごいボリュームの具体例を止めど無く垂れ流して、読者を大洪水に溺れさせます。こういう技法には、文章の書き方とか言葉のテクニックでは語り尽くせない力を感じます。大きな力に呑みこまれながら、狂い笑いしたい人にだけお勧めです。以前なら知り合い全員に薦めるところですが、ほら、僕は今健全な一般人ですから。筒井康隆なんてとてもとても。



 
 –李稜・山月記/中島敦–

 
 大学一年ごろ、西武新宿線内で一回読みとおした記憶があります。そんときゃ満員電車で全然記憶に残りませんでした。敦君ごめん。

 で、10年ぶりくらいに再読しました。


 言葉の選び方が絶妙。綺麗。テーマ自体は故事に基づいた作品が多いのですが、料理の仕方が巧みです。こんな繊細な作品、満員電車では読めないわな。何度も読み返したく、声に出して読み返したくなりました。恥ずかしいから出来ないけど。(それが僕のいけない所です。)



  –ブエナビスタ/花村満月–

 
 何よりもまず。


 ハードカバー版と文庫で題名を変えないで下さい。

 気がつかずにハードカバー版と文庫版両方手に入れちゃったよ。

 

 10代に朧君に出会わなくて良かったです。多分僕の性格上、10代でこの本に出会っていたら、主人公の朧君に心酔してたでしょう。ろくでもなく歪んだ10代だったんだなぁ、と自ら反省。でも今読んだら、素直に楽しかった。楽しかった、って言うのも御幣はあるが。でも良かったです。ブエナ・ビスタ。良い眺めです。


 



 



 全然書評になってないし。むしろ日記だし。

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