薄紅梅

 何処かのサイトに書いてあった事だけど。


 「更新してなくてごめんなさい」と言うのは、何処かにこのサイトの更新を期待していててくれる人が居る、と書いている本人が都合よく解釈している事に他ならない。非常に自意識過剰なんじゃないのかと問いたい、問い詰めたい、小一時間問い詰めたいと。

 超頭悪い僕の読解力ではそこまでしか分からないけど、うん、まあ、そんな事が書かれていた、処があった、気がする。


 うん、まあ、そうなのだろう。僕は更新を期待してくれている人が居ると信じている。それが自分だけであったとしても。自分に対して更新しなくてごめんなさい、と言いたい。言い付けたい。小一時間(略)。


 やっぱり誰だって読んでくれる第3者を想定して書いてるんだしね。読者を想定すること自体は別に自意識過剰とは思わないよ。その人が居ても居なくても、この更新してナンボのメディア、画面の向うに覗かれる、宛ら酸漿をころがすお嬢さんか、或いは黒詰襟の学生か、スッスッと筆の進む今日の日記を、彼らに向けて発信しているにも関わらず、他人を想定しない振りをするも、ふざけて、とぼけて、其の癖何だか小憎らしい。


 立ち寄る閲覧者無く、カウンターも途絶えた所在無さに、何心無く覗いたサイトが、遠く向うから、その文体で、頬へ触るように思えたので、むずむずして、顔を振ると、マウスが軽く揺れる。指で突きやると、向うへ動き、指を引くとふわふわと指へ付いてくる。

 「更新しない事を謝るも、自意識過剰かい。」

 「憚りながら。」

 「…直言を感謝す。」

 と俯いて、袖口を伸ばすようにマウスに手を長く置いた。

 IEの下方に佇む、黒色に描かれたステータスバーから、Scriptエラーの文字が青く流れて、御堂の棟は日の光紫に、あのモニターの背戸辺り、デスクトップの陽炎幻の薄絹かけて、紅の花が、二つ三つ。



 
 で、何がいいたいのかと言うと



 最近、泉鏡花がお気に入りなんです。みんなも読めれ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください