撮影現場

 撮影現場に参加してきました。

 詳細は業務上話せない事も多々あるため割愛しますが、「現場感」を忘れつつある自分に危機感を覚え、思うところがありましたので、ちょっとしたサポート係としてプロの映像屋が集まる撮影現場の空気を吸わせていただくチャンスをいただきました。もちろんもちろん、お仕事じゃないですよ。友人の撮影現場に遊びに行かせていただいただけでございます。ふふ。

 夜の11時に現場に着き、朝の5時まで撮影現場を体感。

 前日も翌日も仕事がありましたが、それでも行ってよかった。

 撮影現場が本業だったのは、もう10年も前ですね。映像制作会社に勤務して、いろいろとあれやこれやの作品を作っていました。当時はもう訳もわからず撮影現場をひたすらぶん回すために東奔西走を繰り返してました。あのときに自分が何を求められているのかも解らない状態でしたね。

 そして、僕のことをご存知の方は納得いただけることと思いますが、僕はまあそれはそれは気が利かない奴でして。さらに神経も細かくない。きわめて大雑把。且つ粗雑。

 映像制作の現場にてこういう人間は全く役に立たないわけです。

 撮影現場は、立ち位置の確認や監督の求めていること、クライアントの指示、撮影の意向、そういうものを汲み取って瞬時に判断して、且つ場を和ませながら進行する。「空気読む」の最も研ぎ澄まされた空間だと思います。

 新卒で映像制作会社に入った一年目にはそりゃもう体罰も含めてよくぶん殴られました。そしてどれだけ殴られてもできるようにはなりませんでした。いやほんとに。びっくりするぐらいです。

 それでも現場が好きで、辞めるつもりは全くありませんでした。そんな日々を当時送っていると、上司から「お前は全くアシスタントに向いてない。気も利かないし動きもトロい。でもなぜか進行しきりは進んでる。しかも変態である。出来ないくせに現場で偉そうな顔してる。なので明日からディレクター(監督)な。」というわけのわからない理由で昇格した記憶があります。まあ、当時の上司には本当にお世話になってましたし、相当僕の使い方に苦慮したのだと思います。それでもアシスタント歴半年。若干23歳で監督て。それ以後、アシスタント業務はむりやり引っぺがされました。向いてないという理由で。僕のディレクター観が世間一般より間違っている理由はこの辺りにありそうです。

 そうそう、それで、何が言いたいかというと、僕の中には「アシスタントコンプレックス」があるのです。

 監督がタバコを持ったらサッと火をつけるような、そういう気配り(ちょっと違うけど)ができる男になりたかったのに、そういう業務を経験しないまま監督業にまわされたため、僕の中では「経験不足」という気持ちが非常に強いのです。できないんですよ、そういうことが。現場の皆さんをサポートする業務を行いたい気持ちが強くて仕方ないのです。

 本来アシスタントがきちんとできる人が監督業をやるべきだと思うのですが、こういうキャリアパスを経由すると、その後の人生が大きく捻じ曲がります。捻じ曲がったまま、ここに居ます。

 そのまま齢30を超えると、どうしても現場でアシスタント係になるチャンスもなくなってきて、且つ現場からも離れていく、という状態でした。ずっと僕の中では「やりたくてできない」ことが、このサポート役でした。

 というわけで、今回、サポートしようとさせてもらえることがとてもうれしく、嬉々として補助役をさせてもらいましたが、まあ楽しいこと楽しいこと。自分としては楽しかったのですが、現場を邪魔してないかどうかでどきどきでした。10年以上のブランクと、年齢による体力と・・・監督に怒鳴られながらも、それでも僕には幸せな世界でした。

 そしてプロフェッショナルが集まるこの空気感。これが楽しくて仕方ありません。

 緩やかな中でもいい絵をとろうと張り詰めた緊張感。

 本当に、撮影現場は大好きです。また参加させてもらいたいな。

  RさんWさん、本当にありがとう!!!

 

「撮影現場」への2件のフィードバック

  1. いきなりカチンコ打たせちゃったりしてごめんなさい^^
    また是非参加して下さい!

  2. >Ryuchiさん
     お返事遅くなりましtが、ありがとうございます。
     もっともっとカチンコ打ちたかったです!
     これからもよろしくです!

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