Web動画と紐育市少年と乙女巨大店と主人の声

 渋谷のHMVが撤退だそうで。
 店舗のウツロイは、特に今のご時勢の中ではもう仕方のないものとして、自分の好きな店がいつの間にかなくなったり、新しい流行にうつったりするのには慣れっこなのだが、渋谷で仕事をするようになってから5年。休憩時間や仕事上がりにちょっとよることもあり、何かと感慨深い。
 昔はこれでも音楽少年であり、CDをわんさか購入してました。
 DiscUnionやタワレコ、場末のJazzレコード店…CD店にはいろいろと通いました。
 僕が一番好きだったのは今はなき新宿のヴァージンメガストア。音楽好きな18歳の富山からの上京少年にとって、花の都新宿での巨大店舗はあまりにも魅力的でした。試聴ブースや音楽雑誌のコーナー、ハイセンスに並べられた大量のCD類。こじゃれていて、音楽知識も豊富な店員さん。一日居ても飽きなかった。大学浪人時代、毎日のように通っていました。丸井の1階に大きく「Virgin」のマークが掲げられていたのは、もう10年近く前の話なんですね。
 閑話休題、昨日のブログでもちょっと話したけど、2000年前後、Web上でPVが見えることに衝撃を受けたことが、このHMVともリンクしてまた思い出されてきまして。
 暑い夏の日だったと思います。パソコンをいろいろいじっていて、RealPlayerなるものをダウンロードして遊んでいたとき、ぱっと見えてきたのが「NewYorkCityBoy」のPV。
 PVもJazz系をはじめ、いろいろ集めていたため、「うわ、こんなもんただで見れちゃっていいの!」「これ犯罪じゃないの?」「これ普通に見えたらもうCD屋いらなくなるんじゃない?」なんて真剣に興奮しながら何度も何度も再生し、他のPV動画も必死に集めていました。当時はWinAmpなんてソフト使ってたなぁ。今でもあるんだっけ。
 その4年後、僕の思い出のヴァージンメガストアが新宿から退店。東京でその話を聞いたとき、寂しさとともに、「やっぱりネットの影響は大きいのかなぁ。喜んでネットからDLしてたけど、それは業界全体にとってどうだったんだろう。」と考えることもありました。
 
 そして今日、HMVが渋谷から退店のニュース。
 いまやニコニコやYoutubeさえも枯れた技術。Ustreamが蕾から花へ。著作権の問題は多々あれど、音楽を聴く&手に入れる環境は当時と大きく違います。時代は本当に、大きく変わっているのだと思います。
 Virginで感動していた少年は、巨大音楽産業の時代からピアツーピアの時代を経て双方向インフラを手に入れる時代へ、マス経済のバブルからミニマムブランディングの世界へと泳ぎつづけてきたのです。
 You feel the deal is real you’re New York City boy
 So young , so run into New York City…

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