結婚

 「なんで結婚したんですか?」
 と言う質問を受けました。
 その方のニュアンスには、どちらかというと「どうして貴様のような顔面偏差値も髪の毛偏差値もFランクで精神的にも破綻しており生活力も壊滅的で体脂肪の塊の様な、そんな貴様が女性を娶っていらっしゃるんですか」と言う雰囲気がこめられており、僕も、うーむ、そういえばその通りだ、何故なんだろうなぁ、と考えてしまいました。
 いやね、結婚する事がいいことだ、とか、モテのステータスだ、とか思わないんですよ。むしろ現在の社会状況から言うと結婚する際、男性にはメリットは(放送禁止)と思います。ええ、はい。
 ただ、まあそんな中「結婚したくないのにしてしまう」人も居り、その状況については社会学的にもいろいろ考えていかなければならないと思います。
 え、僕は結婚したかったのか…ですか?僕については個人情報保護的観点且つ人権第一条身心の保護のためと言う観点から回答を控えさせていただきます。
 一人で生きていくことに不都合が無ければ、結婚する必要って無いと思います。
 愛する人が居たとしても、結婚とは別に愛情をかけ続けることは(生物としては)可能だし。
 社会制度の中に結婚したほうがメリットありますよー、という制度があるからこそ、結婚するわけでさ。それが破綻したら、別に結婚する必要性ってなかったりするわけです。
 まあそんななか、何故僕が結婚したのかと言うと、ひとえに「寂しいのが嫌だ」「生活力がまるでない」と言うところに尽きるのではないかと、まあ、そう思うわけであります。
 一人暮らしをはじめてからと言うもの、炊事はおろか洗濯も掃除もしたことの無い、女性の家に転がり込むか友人と同居して全て任せるかしかやってこなかったため、「一人暮らし=生活力がある」という一版通念から逸脱し、「一人暮らし=いかにヒモになるか」ということだけを追求した人生となっています。
 その中で感じたこと。
 
 女性を娶る、と言うニュアンスに、とりあえずは狩猟民族的な、男同士が戦って、優位に立って、相手の男性に競争に打ち勝つことで手に入るステータス、という側面がまだ残ってると思うのです。思うのですが、
 
 なんというか、成長して努力して、より良い男になることで女性が手に入る、と思ったためしがありません。
 この、意図的に男尊的な「女性が手に入る」と言う言葉を使いましたが、ここ大事なポイントなのです。
 このニュアンスに含まれた、「もてる」「娶る」「女性と一緒に生活する」って全然違うものだと言う前提があると思うのです。
 もちろんもてたことなど生まれてこの方一切合財ないので、「もてる」については言葉は差し控えさせてもらいますが。僕自身の語る言葉には上っ面。表層の軽さしかないのですけどね。それを踏まえて語らせてもらいます。
 少なくとも、もてないまま、女性と一緒に生活する、or娶る、と言うことに関して。
 そこには男性的努力ってあんまり関係ないように思います。
 
 
 もっと言ってしまうと、「駄目になるほど女性には優しく(=生活保護)してもらえる」という側面があると感じてます。それはもててるのとは全く違う、何か人生の反則技を使っているような後ろめたさがあるのは承知しながら。それでもそこでしか生きていけない男性(主に僕)の最後の生存手段を使っていることを自覚しながら。
 周りの男性は努力して身奇麗にし、収入を増やし、ステータスを手に入れることでよりすばらしい女性を手に入れる。それに対して、僕はいわば国家から生活保護金を貰っているような。努力する気が無く、ひきこもっていると仕方なく保護されてしまったような。
 若い頃は「20代しかこんな放蕩はできないから。大人になったら社会がちゃんとしなければならないように環境が自分を律させてくれるから」なんて思ってましたけど、とんでもない。30代になろうが40代になろうが、なにもかわりゃしないのです。これはもう50・80喜んで。生涯この環境は変わらないと云うことを自覚してしまいました。
変わるのは多分、「駄目人間だと誰も養ってくれない」という環境に陥ったときです。
養っていただけてるうちが華です。愛されて37年。
 全く自慢にもならず、気がつけばなんとか生活させてもらってるような状態ですが、本当に僕を保護&飼育してくれるかみさんには感謝しても仕切れません。
 結論としては、「駄目な人間だから僕は結婚した」と云うことです。
 なんだか、もてるもてない、人としての成長、男としての魅力、とは全然別のところにある人生の深い闇に触れた気がします。多分今後も僕は駄目を売り口上にして世を渡り歩いていくのでしょう。

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