反復

Futurithm
Q. 村上さんはマラソンにある創造性とは何だとお考えでしょうか?(20代・男性)
A. 創造性はないよね。ただの反復だから(笑)。
でも音楽だって楽器の練習は反復じゃないですか。反復しなければ何もできない。
反復自体には創造性はないけれど、反復によって創造性の土壌ができるんだと思います。
村上 春樹
『Number Do 100人が語るRUN!』 ランナーの悩み相談より
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反復が大の苦手だった。
例えば漢字の書き取り。小学校一年生の段階から「一度書ける様になった文字をなんで何度も書かないかんねん。」と真剣に疑問に思っていて、まともに宿題を出したことが無い。
例えば計算ドリル。「計算手法がわかったんだから、もういいじゃないか。なんで繰り返し同じ事するのか意味がわからない」。
 当時は「忘却」ということも「定着」ということも、身体理解も訓練の意味も全くわかってなかった。
 対してうちのかみさんは徹底的に反復訓練を得意としており、ピアノは何百回もハノンをひきたおす。日々寸分狂いなく同じ生活を続ける。そういったことが当たり前に出来る人だった。
 反復=同じ生活、では無いのだが、この「日々、変化の無い生活」というのも非常に苦手だった。故に「祭り」という非日常が好きだったりもするわけだが。
 繰り返す、ということが大嫌いだったのだ。
 行きに通った道を帰りに通るのが嫌い。
 昨日やったことを今日やるのが嫌い。
 一度見た作品をもう一度見るのが嫌い。
 ワンモアセッ!といわれるのが嫌い。
 と、不遜な若者時代を送ってきました。
・・・が。
 年をとってくると、性格が穏やかになったのか、はたまたほんの少し根気が出てきたのか。平和な日々に憧れるようになったのか。様々な事に関して、繰り返して同じ事をするのが好きになってきました。
 人間の身体って、本当に面白いです。
 筋トレなどの反復訓練を続けていると、本当にみるみる動きが変わってきます。ダイエット効果はもちろん、神経の動きやはじめはとても面倒だったことがとても簡単にできるようになったりと。それはもう、はたで見ていてもわかるくらいに。
 そして、若いころに反復訓練が嫌いだったことを非常に後悔してみたりもします。やっときゃよかった。
(真剣に後悔したりはしないのだけど。過去全肯定主義なもので)
 反復する日々、大事にしています。
 同じ事をきちんとできるように。

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