偏狭読書情報

芦ノ湖 2012.1.27
 最近は少し不調気味で、集中力、思考力共に落ちてるなぁと自分でも理解してます。元々集中力なかったとも言いますけどね。
 自分は決して病気になってるわけではない、と頑なに信じているのですが、それでもときどき精神的な疲れから、将来や近い未来についてネガティブな想像をしてしまったり、それがずっと尾をひきずって、どこまでいっても粘着する感覚にさいなまれる、という状態になることがあります。今まで38年間、こんな状況は体験した事がなかったけど、結構体力を使うものですね。
 そんななか、時間はあるので読書に勤しむ日々ですが、なかなか読みが進みません。ゆっくり、気長に、一つ一つの文章を楽しみながら読める本に限定して、今を過ごしています。

●ロンメル将軍 / デスモンド・ヤング
淡々とした写実調の語り口で、ロンメル将軍の実績について歴を追って調べていく史実小説。僕は戦記ものではロンメル将軍に今フォーカスが当たっており、いろいろ付帯文書を探し回ってるところです。
この小説では英米兵から如何に敵軍のロンメルが支持されていたか、そのカリスマ性をしっかり味わえ、世界大戦中の現場の動き方がいろいろ見て取れます。

●こころ / 夏目漱石
何故今更!な大普遍小説ですが、教科書で読んでいらい、未読でした。というか教科書ってものすごくはしょられていたのですね・・・。1/5程しか載ってなかったんですね。
教科書でしか読んでない人はまだ結構居るのではないかと思います。が、これは通しで全部読む事をオススメします。先生と私の関係性や東京と実家との距離、そういうものを踏まえて先生が手紙を送るのです。前編の準備があるからあのシーンにカタルシスがあるのに、教科書は美味しいところ取りで逆に味をシンプルにしてしまってます。まあ、仕方ないのでしょうが。
やはり読んでおいて間違いのない、安心して読める私小説です。

●春の雪 / 三島由紀夫
こちらも何故今更!第二段です。三島ファンの中でもこの4部作読んでる人、実は周りであまり居ない気がします。相当代表作なのにね。今春の雪を読み終わったところですが、これから奔馬につながるこの輪廻感がたまりません。そして相変わらず言葉の的確美麗ぶりが金閣寺以上に炸裂。なんでそこでその単語!それしかないのか!とカウンターパンチを貰う端整で非の打ち所のない文体。これぞ三島ワールド。とっつくのに時間が掛かる場合がありますが、一度味を占めたらどこまででも読んでしまいます。

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