努力と愛嬌と体罰とマネジメント論と

Slough
努力と才能無しには手に入れられないと世間で共通認識されているものを、努力と才能無しに手に入れたい。しかも僕だけという限定付きで。
と相変わらず怠惰で且つ承認欲求だけ高いだけの駄目な人間性を丸出しで生きてますこんばんは。
だけど、ふと考えてみた。例えば筋力・運動神経。知識・交渉力。努力と才能が無いと手に入れられないと認識されてるものは数あれど、本当に、それらは努力と才能で身につくものなのだろうか。ひょっとするとそれらは、環境と運によって身につく影響が大きいのじゃ無かろうか。
もしそうだとしたら、努力、特に、頑張る、ということにはどんな意味があるんだろうね。
頑張っている人、は傲慢になりやすいのであんまり評価したくない。丁寧で謙虚な人は、可愛いので評価したい。と思う。誠実な一生懸命さ、ってのは可愛いものだけれどね。
人を評価する、なんて傲慢な!って意見もあったけど、人は常に人を評価しながら生きている。それも非定点的に、軸をぶらしながら、昨日と今日で同じ行為に違う評価をしながら。等しく、自分も評価される目に晒されている。その目だってブレている。
まあそれはそれとして、「可愛げの有る人」「愛嬌の有る人」は周りが応援してくれる。それも環境。そんな環境を作り出すために「素直で謙虚な努力をする」事は、間違って無いんじゃないかな。それが僕の思う「頑張る」姿勢の正しい姿だと思う。
と言いつつも、僕は運命論者じゃないし、今の環境を謙虚に生きる方が楽なので、努力して生きてる風体をして、頑張って生きてる事にしておく。
Temple Lion
【体罰型組織について】
最近、体罰についていろいろ語られています。
僕はお陰様?で体罰的な環境におかれたことはほんの3ヶ月くらいしか無いのだけれど、これについてちょっと思う事を。
まず、体罰をする側、受ける側、両方の思考として。
両方に「嫌な思いもしたけれど、目標を達成したから良いじゃないか。」という一体感、そしてこの発想がもしあるとすると、これ、両者ともに体罰肯定につながりやすいと感じます。共犯的な関係性の中で。で、これはこれで両者に陶酔した甘い快感も有るんですよ、実際には。だからって、肯定するわけじゃないんですが。ここが根深いところだと思います。
でも、まあ、この甘い陶酔の話をし始めると、共依存やマゾヒズムといった精神医学の話を紐解かなければならなくなるので、一旦脇へ置いておいて。今は「体罰をされる」=「嫌な思いを受ける」というシンプルなカテゴライズの中でのお話として進めていきます。
そして改めて、テーマ「嫌な思いもしたけれど、目標を達成したから良いじゃないか。」
この考え方が、何を包括しているのか、掘ってみたいと思います。
例えば、この4項目を幸せだと思える順に並べるとすると・・・。
1・嫌な思いせずに目標達成した。
2・嫌な思いしたけど目標達成した。
3・嫌な思いせずに目標未達成。
4・嫌な思いして目標未達成。
多分1番目と4番目は誰でも同じでしょう。問題は、2番目と3番目。どちらを優先的に並べるか、またはその距離感はどうなのか、で、その人の思考方法がわかります。もちろん、「嫌な思い」が定数化されて無い限り、どれくらいの嫌な思いなのかで結果が変わってくることも百も承知ですが。
再度テーマ「嫌な思いもしたけれど、目標を達成したから良いじゃないか」。
もう少しシンプルにすると「嫌な思いをしなければ目標が達成しない」と判明したときに、どう対処する事が大事なのか、を考える事がポイントですね。と言いたいところなのだけど・・・、本当に「嫌な思いをしないと目標が達成しない」なんて事があるのだろうか。「嫌な思い」と「目標達成」が二軸として成り立つ事があるんだろうか。
・・・これが二軸として成り立たないと仮定して帰納的に考えると、「目標を達成する為に『嫌な思い』をする必然性はない」となるわな。
「嫌な思い」をしなければ「目標達成」しない状況ってどんなんだろう。逆に言うと「嫌な思い」をしたからこそ「目標達成」した、という因果関係が成り立つパターンってあるのかな。・・・これを疑いだすと「若い頃の苦労は買ってでもしろ」を否定する可能性があるな。僕個人としては「苦労」=「嫌な事」だとそんなに思ってないのだけど。
例を簡単にする為に、ここで事例を高校部活動から大人の職場に切り替えます。
例えば「時間」という有限なコストを取り合わないと目標達成しない場合。目標達成のためにはマンパワー×時間数が必要であり、残業をしなければならない(=残業したら達成する事が保障されている)という状態。
お、結構わかりやすい「嫌な思いしたけど目標達成した。」パターンかと。
でもここで大事な事は二つ。これは会社組織での一例だけど、この場合は「残業代」という対価が払われることによって、「嫌な事」が極力緩和されて目標を達成しやすいように国も法も整備してくれている(残業代が無いというのは論外です)。そのため、「嫌な事」のボリュームが「残業代」にて相殺される部分がある、ということ。もう一つが、「残業したら目標が確実に達成する」という残業と目標の因果関係がはっきりしている事。これがないと「4・嫌な思いして、目標未達成」に転落するリスクがある。そして怖いのが、馬券を買い続ける人のように、「もう少し頑張れば達成するだろう」「もう少し頑張れば達成するだろう」の繰り返しで無為な作業を続ける事。何をどう作業すれば達成するのか、明確に道を見せないといけない。
これが部活動であれば、この大事な2点、両方とも担保されないという恐ろしさがある。「体罰」を受けることに対する対価が全く無い。体罰を受けてやる気が出て上達すればそれは対価かもしれない。これは後に語るが、別に体罰という「嫌な思い」でなければ上達しなかったものではない。その意味で、体罰はただ非効果的に受けるのみ。そしてどれだけ体罰を受けて恐怖政治で頑張っても、「勝利」出来るとは限らない。
それでも、体罰がなくならない要因の一つとして、「体罰型組織は軍隊が手本だから」という意見をよく聞く。なるほど、軍隊は規律を重んじ、強制力もあり、どんなパーソナリティをもっている人間も、兵隊として役に立つようにしなければいけない。そのためには、ある種の強権も必要なんだ・・・。そのロジックは、一見もっともにみえる。
でも、そこには大事なコアが入っていない。「で、その軍隊は強かったの?」ということだ。上記に書いたイメージは大概の人が旧日本軍を想像するだろう。でも、その日本軍は強かったのだろうか。・・・実際には日露、日清と大活躍を繰り広げたは良く知っている。だが、その時代はとうの昔であり、今現在、最も強いとされている軍隊は、恐怖政治でも盲目的でもなく、マネジメントが行き届いてモチベーション管理も権限管理もしっかりしてるはず by フリードマン。ふた昔前の、古い軍隊を手本にしてどうするつもりなのだろう。そこがポイントだ。

感情的な体罰是非論じゃなく、「このようなマネジメント手法の方が強くなりますよ。結果でますよ。目標達成しますよ。体罰による指導なんて今じゃ結果出ませんよ。」と、実績に基づいた手法が周知される事が、一番手っ取り早い解決なんじゃなかろうか。
いや、むしろ、そういった形で解決しないと、体罰という問題は解決しないと思う。それは、体罰に因った手法が「目標達成」「勝利」といった実績を出す限り、賛同者がでるからです。それは、何をしてでも結果を出したい、先ほどの「嫌な思いをしてでも目標達成したい」と思う人たちが居る限り、一つの成功実績の有る方法論として受け継がれる。
そして厄介な事に「目標達成した人は偉い」のであり「その方法論は正当化され、人格も認められ、皆から承認されるのである。」という環境がある。全然関係ないのに。
それゆえに、体罰型マネジメントは、今も擁護者が多く存在するのではなかろうか、と思う。
そもそも論なんだけど、この「目標達成する人は偉い人、できる人」として判断する論は、体罰抜きにしても欺瞞が山ほどあると思ってます。が、後ほど改めて。書き始めると切が無いから。
話逸れた。体罰のお話にフォーカスを合わせて。
また、同時に「嫌な思い」と「目標達成」に因果関係は無い、という事も実証(することができれば)併せて周知する事で更に効果的になると思う。そのためには「嫌な思い」を定数化しなければいけないけれどね。
結論。体罰をはじめとして、嫌な思いを我慢しても目標達成とはあまり関係がなさそうだ(ちょっとまだデータそのものが足りてないけど、強引に話を進める)。
だから、好きなことを好きなだけやればいいのだ。嫌になったらやめればいいのだ。それでも人間生きてけるし、社会もテクノロジーも環境もそういった「一昔前だと、わがままと断定される生き方」を容認・肯定する方向に流れてる。世界のフラット化、フリーランスの活躍手法、ミニマムな会社経営、そしてどれを選んでも、2~3回失敗しても全然立ち直れる社会。また、情報を集めるにも発信するにも、コストが掛からない世界。その中では、「この世界で我慢しなければならない」事なんて、あまり無いと思う。もちろん、好きな事を好きなだけやる、の意図の中には、細かく我慢・努力するような事もあるだろうけどね。でもそれは人から殴られたり、恐怖を植えつけられたり、盲信を強要されたりするものじゃない。自立した、個人としての、孤独な道なのだ。
・・・比するに、体罰をしてくれる教師とそれを愛と感じる生徒、といういびつな共依存という精神病的関係は、孤独な道よりは、ぬるくて楽な道、でもあるのでしょうね。(一方的な体罰は論外だが)
これはこれで、先人達の考えた「理想郷」には近づいているんだな。

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