2年前、会社を退職して「辞めました!独立しました!」と挨拶に伺うと、想像以上の方々からものすごく応援して頂いた(ここでいう応援とは、事業を作ってもらったり、仕事を発注いただいたり、技術サポートをもらったり、ということ)のを覚えています。
なかなか信じてもらえないのだけど、会社を辞める前に「独立準備」とか「顧客づくり」とか「事業計画」なんて、何にもしてなかったのですよ。もっと言うなら貯金もなかった。わずかにあったお金は退職後1ヶ月間で台湾とロサンゼルスに遊びに行って無一文になって帰ってきた。40代既婚男性として「準備も金も無し。それで良い」とは心底全く金輪際思わないし誰にも勧めないのだけど、要諦はそこ(事前準備)じゃない、と思えるのです。
独立の挨拶に伺うときの心持ちは、お世話になった先輩方への面通しであり、それこそ不遜にも「お仕事ください。食べさせてください」という依存心はありませんでした。でもそれは覚悟の上で、それこそ一人でやっていく、という心持ちでいることで、逆説的に支えをしてくれる方々がいることを、(今にして思えば)知る機会だったのです。
今でも、その頃に支えてくれた方々への恩は生涯返しきれないものです。というかまだまだ支えてもらってます。
今はなんとなくわかります。「リスクを背負って一人で漕ぎ出す」覚悟をした人間を、応援したいのです。僕も応援してもらった側として、次のチャレンジャーを応援していかなければならないのです。
「将来起業したいと思ってる」とか「こういうアイディアを考えている」ではダメなのです。
「生きていけるかどうかわからないけど、辞めちゃいました!」という「自分でリスクを取った」人でないと解らない分野に足を踏み入れた瞬間に、仲間として迎え入れてくれる方々が、確実にいるのです。
世の中は「成功するビジネスアイディアがある」人に投資したいのじゃない。
「俺、一人で頑張ってみるわ」という自立心のある人と、共に生きていきたいのです。
僕もね。