動画とモーショングラフィックスの学校/スクール「BYND」が7年間、愛され続けてきた(と僕が感じる)理由。


こんにちは。映像作家の山本輔です。
今日は、僕が教鞭を取らせていただいている動画の学校「BYND」について、ほんの少しだけ、語らせていただけると嬉しいです。

とは言っても、本件は山本個人の思いであり、学校及び運営会社の意向とは関係ありません。

もし、動画関係の学校へ入学を検討している方がこちらを読んでおりましたら、

・僕は外部の人間(個人事業主)です。BYNDのスタッフ(社員)ではありません。
・とは言え、BYND創立期からずっとお付き合いがあり、長年講師をさせていただいている立場です。

ということを、差し引いて聞いていただけると幸いです。

まあ、あまり受講検討の参考には、なり難い内容ですが…。


先のNoteにて、僕は自分自身が映像屋として進退を決断した経緯を記しました。

Links to 「映像屋のフリーランスになる覚悟」


僕がロサンゼルスから帰ってきて「映像屋としての矜持」を伝えた時に出てきた「一緒に学校…やってみませんか」という(BYNDの)社長の申し出。

学校の設立。
全てはここから始まりました。

もちろん、社長の中ではその前から色々と企画を立てていたこととは思います。

でも、僕が知る限り、初めて動画の学校「BYND」の企画が出てきたのはこの時。2014年11月でした。
※当時は「ハリウッドキャリアスクール」という名称でした。

そして今年(2021年)、開校から7年間が経ちました。その間に1500人を超える卒業生が巣立ち、学校は小さいながらもずっと続いております。この学校が素晴らしいのは、何よりも、本当に何よりも「卒業生の多くが今でも愛し続けてくれる」場所になっていることです。

たった一ヶ月の学校なのに、同窓会もたくさん開催され、今でもご縁ある方が多く、卒業して仕事につながった方、プロになった方、同級生同士で結婚なされた方、それこそ映像作家100選に選ばれるにまでなった方…御礼の手紙、メッセージを僕にくれる方々も数知れず…。設立時は、この場所がこんなに愛されるなんて、正直思っていなかったのです。ここまでずっと続く学校になると思っていなかったのです。
ですが現実に、今も学校は続いています。改めて今、BYNDが続いている理由を、僕の視点からしたためておきたいな、と思いました。

1・スモールチャレンジだったこと

まず、BYNDは、上記の通り、本当に小さなチャレンジでした。
夢大きく、業界を変えていこうとか日本の映像文化を切り開こう、とかいうものではなく、かと言ってビジネス的にチャンスがあったという訳でもなく(いや、本当は知らないよ。社長には見えていたのかも知れないけれど)、

独立する僕がいて、
映像に知見のあるスタッフが存在して
じゃあ、一緒にやってみようか、と。

「始まりが小さいこと」
「夢を小さく始めたこと」

これは、すごく大事なことだと思っています。
初めは、事務所の一角で、それこそマンツーマンでの授業から。
少しづつ、形を作って、おかしなところがあったら直して、ダメだったら違うことをチャレンジしようとも考えて。

大々的な理想を打つ訳じゃない。ただ「一緒にやってみよう」と(僕の立場から言えば)僕を応援してくれる事業を作ってくれた。
そりゃ僕は、誠心誠意応えていくしかない訳です。
その際に、スモールチャレンジだったことは、プレッシャーの意味でも、人間関係の意味でも、非常に小回りのきく、自由な環境であることが救いになりました。

2・10年以上にわたる想いの共有があったこと

この会社の社長は、僕にとって16年来の上司です。前々職における「部長職」の方でした。その頃勤めていた会社は「クリエイティブスクール運営事業」。言うなれば学校業です。
僕と社長は、その時は「営業部長と営業部員」として、16年前に「学校とはどうあるべきか」「どうしたらみんなに喜んでもらえるか」をそれこそ週に3日間朝から晩まで議論を日々重ね重ね重ね重ね、考え続けてきました。
もちろん、その時にいた企業は社員が100人を超えており、どうしても経営判断としてできることは限られていましたが、その頃から僕はこの社長と想いを共にして「この人と学校を作ると、きっとこうなるだろうな」「こういう判断をするだろうな」「こういうことは嫌がろうだろうな」と、感覚を肌身に理解していました。

学校営業の現場を見ていた者同士が、それぞれ経営と講師に立つ、というのは、視座の共有、意識統一の意味において、大きなメリットになっていると感じます。

そして…

3・大事なのは「売上」より「人」と感じられたこと

その時からずっと思っていたこと。
この社長は「売上」よりも「人」を大事にする人だということです。
いや、そんなことどんな社長でも言ってるじゃないか、と。
ポリシーを喋ることは簡単です。

ですが、BYNDの社長は違います。前の職場では「ターミネーター」と言うニックネームがつく位に「意思貫徹」の思いが強烈な方なのです。(それを知ってか知らずか、BYNDには開校当時からT-800の頭像が飾ってあります)

その意思貫徹力はそれは営業職の時にスタッフのメンタルカバーとノルマ100%両方を完全に達成するためのクレイジーなまでの敏腕ぶりで記憶してました。

「一緒に仕事をしたいな、と思う方とだけジョインする」
「事業を大きくするために人は雇わない」
「事業のために人を変えるのではなく、その人にあった事業を作る」

これを本当に、頑なに実践していたのです。
ゆえに、BYNDはスタッフの人数、想い以上のスケールにしていません。売上だけのためにスケール拡大の無理をしません。それによって、スタッフはできる限り働きやすい環境で、受講生を心から笑顔で迎え入れることができる。全員の顔を覚えられる規模で居られる。少なくとも僕に関して言えば、僕という個性を尊重してくれて、一番僕のポテンシャルが発揮できる環境を用意してくださり、それに対して僕が応える形で受講生のポテンシャルを引き出そうとしています。

時流を見据えた一気呵成の事業拡大といった利益を取らず、今のスタッフを大事にする。それはすなわち、今の受講生を大事にすること。

いや、そりゃもちろん、社長をはじめ経営陣は(表には見せない)様々な波を乗り越えてきているとは思うのです。永く続けるための拡大も考えたりはしたと思うのです。でもそれをオクビにも出さず、常に「こういうポリシーでやるんだ」というスジを曲げない。それこそ頑固なまでにスジを曲げない。ここが本当に格好いいのです。そして、舵を切るときは「絶対に、徹底的に切る」。
僕はこの経営姿勢に対して、全力でサポートをするのです。

そして、その結果はそのまま「受講料」や「受講スタイル」にも反映されます。

不必要な金額は取らない。
できないサポートはしない(例えば、卒業後のサポートなどは行わない)。
やれば「人材紹介業」などもできるだろうけど、それは「していない」。
多分それは「フェアでない」と感じているから、でしょう。

そう、「フェア」というキーワードがポイントになります。

4・フェアでいること


「やることをやる」「必要なことをやる」「やらないことはやらないと入学前に明言する」

それこそ、卒業作品を全て掲示し、受講生からの声もほぼ(「てにをは」修正を除き)素のまま掲示してしまう、BYNDの姿勢は全てこの「フェア」であることが背骨になっていると思っています。

学校業はよく「良い作品(優秀作品)」を並べます。卒業生の声も、様々加筆修正を行います。もちろん、広報戦略としてそれを否定するつもりはありません。
ただ、BYNDは方針として「フェアに、何ができて、何ができていないのかちゃんと出そう。その上でチョイスしてもらおう」という姿勢を貫いています。

学校業はよく「卒業後のサポート」を行います。これは、実に学校側の収益構造として二重取り、三重取りが可能となる構造です。入学で収益、卒業で収益…。学校業と人材派遣業を両方行えてしまう、そしてそれはビジネス視点で学校を始める方が一度は考えるスキームなのです。

ですが、BYNDは今それを行なっていません。
「人材紹介は果たして学校のやるべきことだろうか」「学校ってそう言う場所だろうか」と言う本質論をしっかり考えた、結果だと思います。
(もともとBYNDの運営会社は人材紹介業を本業として行っておりましたし、免許も持っています。それでもなお、そこには手をつけないと言う姿勢です)

卒業後のサポート、人材派遣業、職業紹介業も「ちゃんとサポートできれば」良いサービスなのですが、今のスタッフ人数では、そこを満足いくところまで、お金を取ってはできないだろうと言う判断。そしたら、その事業、そのサービスを引っ込めるのです。「ニーズがあるから、収益になるから、やっちゃえ!」ではなく「できないことをやって、お金を取るのはフェアじゃない」。頑固なまでの「フェアたるべし。公正たるべし」の精神が根付いています。

5・愚直であること

もう、頑固と愚直が結びつくと、大変なことになります。

授業終了後には必ずスタッフ全員でミーティングをし、問題点を洗い出し、恐ろしいことに「次の授業までに必ず解決する」「解決できない時(それこそスタッフの勤務時間的に無理があるもの)は無理をさせずに、でも今できることを少しでも手を打っていく」

これを毎授業毎授業、それこそ7年間ずっと愚直に行い続けており、そこで改善してきた蓄積が圧倒的に多いのです。
それこそカリキュラムの内容において「Aを伝える前にBを伝えなくていいのか」「それをするために全体時間は調整できるのか」更には、「モニタの位置がちょっとずれていないか」「ずれていることで受講生は授業受けにくくないか」「座布団は硬すぎないか」「開始時のBGMはこれでいいのか」に至るまで、大の大人が真剣に会議し続けるのです。

そこに…若干のユーモアも混ぜながら。

「講師はライトセーバーを持つべきか」「学校らしいチャイムの音はどれか」に至るまで…。

これを、毎授業のミーティングのみならず、月一回のキャンプ(1クールをBYNDではキャンプと呼びます)終了時には、社長交え全スタッフで必ずミーティングしています。
そう、社長自ら必ず顔を出し「講師の持つライトセーバーの色」まで考え抜くのです。

これを愚直と言わずなんというのでしょう。
そして、「やるといったらやる」「ほんのわずかでも受講生が『受けにくいな』『授業しづらいな』と思ったところを改善する」が全スタッフ共有の上で7年積み重なった蓄積が一体どれ程のものになっていることか。

これこそが、BYNDの真の底力だと思っています。

6・スタッフが皆卒業生であり、卒業生の一人として「学校が長続きすることを願っている」こと


BYNDのスタッフは皆、BYNDの授業を受けています。(2021年現在、全員が僕の授業を受けてくださったかたばかりで恥ずかしい限りです)
あるスタッフに至っては、BYND受講中は別の会社で違う職種を行なっていたにもかかわらず、今は転職してBYNDの運営に携わるようになるなど、皆それぞれにBYNDに対して愛着を持ってくださっています。
そしてそれは、学校に対する愛というよりも「受講生」「卒業生」に対する愛情、いわゆる「人好き」が集まっているのです。
そして、このコミュニティが、末長く末長く続くことを期待している方々ばかりだと、言外の行動からもいつも感じるのです。

ある時、内容は語れませんが、社長が自ら、ある会社に電話をしたことがあるそうです。それは、BYNDに対する「事実に基づかない風評」が発生しそうな時でした。その風評元と思われるところに、社長自ら連絡したのです。

その内容については私もそばで聞いたわけではありません。ですが、会議でその話題が出た時に、社長から出た言葉が

「だって…BYNDが潰れちゃうと思ったから…」でした(かわいい)。

この言葉を聞いた時に、この人は本気でこの学校を長く続けよう、卒業生のための場所を残そうとしている。そのために身をもって戦う覚悟をしている。決して大きくしよう、収益を必要以上に上げようと言う欲を出さずに、この場所を護ろうとしてくれている。

こんな愛あふれる学校運営ができる人が他にどこにいると言うのか。

毎回の会議に全出席し、誰にも権限委譲せず、みんなで「一緒に作るBYND」を7年続けてくれている。いやもちろん、いつかはスタッフだけで回る仕組みになっていくのでしょうが、大事な部分で必ず経営層がちゃんと見てくれていること。「現場を、受講生を大事にしてくれている感」を覚えるのです。そりゃポテンシャルも200%発揮したくなります。

私事で恐縮ですが、僕は学習塾経営の息子に生まれて、それこそ予備校ブームの頃から私塾の栄枯盛衰を肌で感じてきました。どの様な塾が愛され、どの様な塾が淘汰されるか、それこそ家庭生活に関わるレベルで観察してきました。

地元の塾でも、何をやったら傾くか、どんな講師が子供たちから人気か、保護者は何を見ているか…僕には僕なりの「学校業としてやるべきこと」「やってはいけないこと」の線引きがあります。この話は、また次回ね。

その中で…。

ここまで、意思統一、目標に向かうスタッフの意思が揃って「誰1人取り残さず、受講生を見守っていく」「全ての判断基準は、卒業課題の提出率とクオリティである」というポリシーを一貫してくずさないメンタリティをもつ学校は、傾きにくいと感じます。なかなか他の学校ではなし得ないチームマインドであり、少人数で運営していることのメリットです。


大きく事業拡大をすることで、学校がなくなっちゃう可能性はないか。潰れちゃったら、一番悲しむのは卒業生たちだ。
「ブームに乗って一気に稼いで、ブームが過ぎたら学校を畳む」この場所を愛してくれる卒業生たちがいる中で、軽々しく「儲からないからやめた!」なんて振舞いをして良いものなのだろうか…
そう言った先々のことを、経営層はいつも考えてくれています。



第一期の卒業生が語ってくれました。
「僕の出身は博多です。東京に身寄りはありません。僕にとって『BYND』が東京の母校です。ずっとずっと、母校として存在し続けてくださいね」と。

僕は、その言葉を、しっかりと心に留めています。
きっと、全スタッフにも同じ思いがあることでしょう。

7.理想と収益のバランスが絶妙なこと


当然、学校は営利事業です。
理想論だけでは回りません。
が、他社の力をなるべく借りることなく、自分たちで、出ていくお金をなるべくカットしながら、それでもかける場所(特に受講環境づくり)には惜しまず、それを常に「ここに投下していいのか」を深く考えながら進める。
経営的には当たり前の思考ですが、そこに、前述の「頑固なまでの一貫性」「全員の意思統一」「スモールスタート」が重なると、とてつもなくシンプルに、間違いが少なくなります。


人を愛して、末永く、無理をせず。
そのための超高速なPDCA回しを毎週隅々まで。毎月社長から現場まで。こんなめんどくさい愚直な行動、なかなかできません。
ある意味「やると決めたらやる」の頑固さこそが、末長くの秘訣だと思います。


BYNDにとって。
他の学校は、ライバルではないのです。
百貨店に対して、デパートに対して、僕たちはセレクトショップ。
セレクトショップの隣に大型店があったとしても、共存できます。セレクトショップの隣に別のセレクトショップがあっても、楽しいじゃないか。

僕らは、僕たちの目で「良い」と思ったものを、心地よい空間で、フェアに、いつも顔馴染みのメンバーがいる環境で、提供するお店なのです。

店長の目の届く範囲の店舗を構え、全ての受講生、卒業生とちゃんと向き合って歩みゆく、小さな小さなブティックショップなのです。

小さいからこそ、運用コストも安い。スタッフも講師も少ないから、コミュニケーションロスやトラブルも少ない。大望野望を描いて始めたスクールではないから、フットワークも軽い。愚直だからこそ、他校には簡単に真似されない知見が数多く存在する。

これからも、末永く続かんことを。
誰よりも。僕が願っています。

僕はどこにも行きません。BYNDに育てられた、BYNDの講師です。

映像作家で映像講師。ビジュアルジョッキーオペラ歌手。
モーションデザイン、テレビ屋さん。
神出鬼没のBYND講師、山本輔でございます。

有り難くも以前には、僕に対して別の学校からいくつかオファーのお話もありましたが…僕には恐れ多すぎるお言葉としてありがたく頂戴しながら、辞退しております。お金ではなく、恩を返しながら、これまでの卒業生たち、そしてこれから「BYNDを選んでくれた人たち」への愛情あるサポートに、これからも尽力するのです。

長くなりましたが、僕の思いはこんな感じ。

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