鼻歌

 先日、カラオケが苦手だと言う事を書いたら、様々な方面から反響がありました。

 「カラオケが嫌いなんて信じられない」「自分の下手さ加減を転化するな」「ぼけ」「はげ」「早漏」と、いつも通りの罵声を浴びせられてしまいました。


 うーん。確かに、歌うこと自体は、嫌いじゃないのよ。おいら、結構好きなのよ。ただ、人前で「歌いたいです。」といえないのと、マイク向けられて堂々と歌声を披露することにエラク恐怖を感じてしまうだけなのよ。


 そう、歌うこと自体は全然嫌いじゃないんです。むしろ歌は好きで、いつも鼻歌を歌って生活しています。


 しかしながら、この鼻歌と言う奴がとても厄介なシロモノでして。


 僕は昔から洋楽(それもジャズ/フュージョン/AOR/ブラック)を主に好んで聞いていて、邦楽や流行の音楽はあまり聴かないんですよ。それ故に、鼻歌もどちらかと言うと洋楽に偏ってしまうんですね。しかもジャズ/フュージョンともなるとインスト(=歌なし。楽器だけ)のものも多く、更にはベースやドラムを好んで偏重する癖もあり、僕の鼻歌は普段あまり一般には認知されていない曲を更にメロディから逸脱して歌うという事になります。


 大概鼻歌を歌うのは自転車に乗って出勤する時や帰宅する時です。最近はブレッカーブラザーズを愛聴していることもあり、自然と鼻歌も彼らの曲になります。


 「ぱららぱーぱららぱぱらぱー。ぱぱらっぱぱらぱーっぱっぱっぱっどんどんちちーつちゃっ。にょー。ぱぱらぱぱらぱぱぱらぱぱっ、ぱぱっ、っつっつっつっどんぴゃっ、ぺっぺれーぺっぺっぺっぺっぺぺっちゃっちゃっ、ぴゃーらっ」


 という具合に、インストの曲をトランペットとサックスとギターとベースとドラムを纏めて一度に鼻歌で歌おうとするため、何の曲を歌っているのか自分でも全く分からない状態になります。因みに上の曲は「サムスカンクファンク」です。誰が何と言ってもそうなんです。信じれ。鼻歌を歌っている僕とすれ違った人は「ヘンなおじさんが怖い言葉しゃべってるよぅ」と逃げていきます。誰も近づいてきません。快適な通勤です。そうか?


 さらにはさらには、僕は大変な音痴のため、全ての音に5/4~1/4音のフラットが掛かります。大変です。頭の中で鳴っている曲と出てくる曲が違います。僕がスティービーワンダーを歌っているつもりで、後ろからかみさんに「ねえ、それドラえもんの主題歌?」と真顔で答えられます。僕の声帯はどうなっているのでしょう?


 また、やはりプリンスマニアの僕としては、プリンスも鼻歌には欠かせません。ただ、彼の曲はとても癖があり、奇妙なメロディラインが多く存在します。そんなもん鼻歌で歌った日には大変です。インプットが奇妙奇天烈でシステム(声帯)が貧弱であれば、アウトプットはそりゃもうとんでもないものが出てきます。
 昨日試しにプリンスを歌う自分の鼻歌をMDに取って聞いてみました。


 恐る恐るMDを聞いてみると、プリンスを歌ったつもりのMDからは、未だかつて聞いたことも無い珍妙なボイスパーカッションに、喘ぎ声と合いの手が響く前衛的な般若心経が聞こえてきました。余りの前衛ぷりに頭から湯気が出てきてます。今も出てます。だからはげるのです。


 と言うわけで、僕は鼻歌も歌ってはいけないと言うことだそうです。歌うとはげだそうです。つまりはげです。


 こんな僕ですからカラオケなんてとてもとても。(ぺこぺこ)


 

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