Larry Carlton 六本木ライブ

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 9月21日金曜の夜、たまにはかみさんとオメカシして六本木まで繰り出しました。
 【Larry Carlton Billboard Live】
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 ラリーカールトンと言えば、”Mr335″ ギブソンGS-335の世界一の名手です。
 僕はギターを全く弾かない、弾けない男ですが、彼のギターを生で聞きたくて聞きたくて聞きたくて仕方ありませんでした。今回初のチャンスです。

 大学時代フュージョンにはまっていたクセに、ラリーカールトン最大のヒット作にして名曲「Room335」をはじめて聞いたのは27歳になってからでした。遅いにも程があります。80年代インストを寵愛しておきながら何故か聞く機会が無かったんですよね。
 初めてRoom335を聞いたときの衝撃は今でも忘れられません。
こんなに洒落っ気に溢れ、歌心満ちる名曲がまだ存在していた事が信じられませんでした。ギターが歌う、とはこのことか、と未だ僕の中では最高のギターインスト曲No,1の座を保持しています。渡辺香津美/ハイラムブロック/パットメセニー/ルカサーと言った僕内ギタリスト神の上を行く絶対神でした。
29歳時の記事

 GS-335の名手と言っておきながら、この映像ではストラトを弾いてます。
 何弾いてもかっこいいですな。ちょっと音がギブソンより音が太く伸びてる感じがしますね。

 その「Room335」を聞く6年前、既に僕はカールトン信者になっていました。
 ラリーカールトンに惚れこんだのは、SteelyDan「Kid Charlemagne」のギターソロを聞いたときに思いっきりぶったまげたのがキッカケでした。
 唸る、吼える、滾る…どういう言葉が一番適切なのか解りませんが、音一つだけで「Kid Chalemagne~滅び行く英雄~」の世界観を表現しきっているその表現力におどろいたのを今でも覚えています。忘れない神楽坂えんぴつビルでの午後11時。誰も居なくなったオフィスで一人仕事中に流れてきたラジオの音。いまだに、僕の中でKid Charlemagneを超える世界観を持つ曲はありません。Room335とは約90度の対極に有る冷たさ、ストイシズム、硬質な突き放し方。心の支えは、常に「Kid Charlemagne」にあります。
 何より、「Kid charlemagne」がオープニングを飾るアルバム「The Royal Scam」がこのサイト名になっている事から、僕の偏愛ぶりをわかってもらえるかと思います。

 表現、の根底は技術だと考えています。
 もちろん、自分自身が満足する、楽しむための表現と言う意味ではそこにルールは無く、技術も何も関係なく思うがままに表現すればよいのですが、こと他者/受信者が居る場合、伝達には技術が必要になります。卓越した技術が表現を支え、その上で表現を行うというのが誰かに何かを伝える基本だと思います。
 ただとにかく思いをこめれば伝わるんだ、と言うのは嘘だと断言できます。そんなんだったら心底惚れれば誰とだってお付き合いできる世の中になっちゃうよ。現実には「思いが通じない」ことなんて沢山有るわけでさ。世に言う粘着質、ストーカー気質が日の目を見ないのはその辺に意識のズレが有るんじゃないかなぁ。
 話ずれました。この話もしたいのですが、長くなりそうなのでまた今度。

 ラリーカールトン、飄々と演奏をしてましたが、その一音一音の伸ばし方、ソロとの絡み方、手癖も含めた得意フレーズの重ね具合、どれをとってもやはり「恐ろしいほどの技術」を昇華させた上でのライトな演奏である事が見て取れ、ただ楽しんで聴ける演奏であった上にも恐ろしさがありました。

 こういうライブに行ったのは何年ぶりかな?2003年にRollingStonesを見に行って以来、4年ぶりだなぁ。全然音楽に触れてなかったんだな、ここ数年。改めて潤っていこうと思います。
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 更にミーハーな僕はその場でアルバムを買いサインをもらって握手してきました。ちょー緊張した。

 結論、Room335は今回演奏しませんでした。しょぼん。

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