ゲゼルシャフトとゲマインシャフト

「ゲゼルシャフト」と「ゲマインシャフト」と云う言葉がある。
簡単にまとめると「ゲゼルシャフト=機能体組織、利益社会(企業など)」「ゲマインシャフト=共同体組織(血縁、地縁、友情)」と呼ばれるが、この分類が変貌していると感じる。
例えば僕が前にいた企業の大学院。スタッフは学生や教授と、共に「良い日本を作り上げるための共同体」として「ゲマインシャフト」的有機体を築いていた。それこそ、SNSやTwitterというツールが氾濫する現在、人と人のコミュニティとして、人間相談から起業相談まであらゆる関係性をもって接していた。そこでは「事務局」「教授」「学生」という役割ではなく、「人間」と「人間」だった。だからこそ、そこに魅力が生まれていた。その根源は「人としての決め細やかな対応」。大手や利益追求型社会では成し得ない、ブランディングされた環境がそこにあった。
今、上海や北京と共に仕事をしてみて。海の向こうでは「利益」や「良いサービス」といった事では判断しない。もっと深い、地縁や血縁、面子に対して敬意を払わないとビジネスが成立しない。やはり思うところは「ゲマインシャフト」的有機体、いわば「ファミリーとしての組織」がゲゼルシャフトを圧倒して国際社会を侵食しているという事。これをトレンド、一過性のものと言って良いのかどうか解らないけれど、人は今「共同型社会」を求めていると感じる。人間は何の為に働くか、といった根源的理由もそこに包括されている。
と、ヤヤコしく考えてみましたが、要するに最近は土居健郎と九鬼周造に傾倒していると言う事です。更にそこに中国ビジネスを考える環境や、地元の青年団の地縁、祖父の七回忌などをによる親族関係が乗っかってきた事で、「機能としてではなく、人間としての関係性」や「共同体」の重要性をしみじみと感じていますよ、と云うことです。おわり。

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