「山本輔の作る映像は真面目で面白くないが、この忙しい男に映像制作など頼む方が罪深いのだ」と彼が話して以来、どうしたことか逆に映像制作の依頼が増えた。

この間もある商品の宣伝映像を作ってくれというので深く考えずに引き受け、送られてきた元素材を見たらなんと確認する素材だけで10時間分ある。しかも締め切りまでには10日ほどしかない。編集することが好きだからこそ家事抛り出し、採算度外視して作りはじめたが、わが愛する妻が「いったいそんなもの作って制作料いくらになるのですか」と訊くから教えてやったら、かんかんになって怒っていた。しかし映像制作屋はこれが日常なのだ。妻よお前は映像制作屋の妻にはなれない。

(筒井康隆のパロディです。本気にせぬ様)