写真撮影がコンプレックス

僕は写真撮影が大のコンプレックスです。
それでも、カメラを扱うことが営みの片隅にある生活。常に自分の解像度の鈍さ、世の美しさに対する雑然さに日々絶望しつつ、鍛錬を続けているのです。

料理(動植物)/世界(風景)/子供/女性…、僕の知る中で、最も美しいもの、そしてニーズのあるもの。世界の美しさの80%はこれで出来上がっているのではないかと考えています。(まあ、あと20%は祭りだと思うのですが、他所で理解してもらえないので割愛します)
その中で僕は、料理に興味ない、風景あまり興味ない。子供あまり興味ない。そうすると、興味のあるパーセンテージの比重はどこにかかるか、まあ言わなくてもわかると思うのです。祭りはさておき。

そんな中ですよ。日々ありがたくも様々な方と鍛錬を積まさせて頂いている中でですよ。今日、一緒に飲んでた方から「今日、今から撮影してくれてもいいですよ」と、声をかけてもらえたのですよ。本当に、ありがたいことに。

その方は2年前にスタジオでポートレートを撮影させて頂いて、唯一、僕の師匠から「たすく、写真上手になったね」と評価して頂けた被写体の方です。要するに、良い信頼関係を築かせていただいて、お互いリラックスして、より良い撮影を楽しめる関係を築かせていただけてた方。もちろん、本人からも喜んで頂いて、今日に至るのです。
その方からの声に対してですよ。ドキッとしたと同時に「あ、え、い、今、ですか。撮影機材は、あの、青山においてきちゃったし、あの、その」と、即答できなかった、すなわち応えられなかったのです。

あああああああああ!この僕の売りは「なんでもその場で引き受ける」「なんでも『喜んで!』」「無茶振りを飲むことがポリシー」じゃなかったのかと。あまつさえ、素敵な女性に「写真撮ってください」と声をかけてもらって、その場で応えられないなんて、名が廃りすぎるのではないかと。あああああ!

なんかビビっちゃったのです。2年前、とても素敵に撮影できたこの方を、今、あの時以上に綺麗に撮れるのか、に、ビビってしまったのです。ああ!もう、この、軟弱者!変なアーティスティック気取りなしに、iPhone一つでも「ああ撮ろう!今撮ろう!」と言えるのが僕の強みだというのに!

いつも撮影させてもらってる、大好きなN嬢など、毎回のごとく「今度はちゃんと撮ってくださいよ!」と叱られつつも「もう一回だけ。もう一回だけやらせて!」と盛りのついた犬のごとくガンガン撮影させてもらってるのに。その貪欲さはどこに行ったのかと。

いや「据え膳は残さず食え」は母親からさえも教育を受けてきたのです。ちょっと意味違いますが。でも、そのレベルで「撮影してください。さあ、今」と女性に言われて、そこに乗らないなんて山本 輔イズムとして、あってはならないことなのです。ならないことなのです。大事なことなんで2度言いました。もう一度言いましょうか。あってはならないことなのです。

結局今日は、いつも一緒にいるM嬢と合流して3人でバーに入り浸り今まで呑んだくれて帰ってきました。それでもこの悔しさはまかないきれないのです。

まあ、そうは言っても後日撮らせてもらうのですが(強がり)。それでも「後日撮る」のと「OKもらった今、撮る」は全く意味が異なるということ、わかってくれる方はいると思うのです。

OKもらったその瞬間、その場で行動を起こさないなんて、写真に限らず色恋でも仕事でも良い結果が生み出されるわけないじゃないですか。その場でパンツ脱がないなんて、契約書出さないなんて、成約できるわけないじゃないですか。
…それ、僕、18年前にブログに同じ経験をしたためてたわ。18年成長してないな。
http://www.zerokai.co.jp/royalscam/?p=2993
そして「写真撮影がコンプレックス」という前段の話は、もう、忘れた。そんなことはどうでもいい。
僕は毎日、一生懸命、精一杯に感情を込めて生きているんだよ。

BGMにはずっと岡村靖幸の「愛はオシャレじゃない」が流れています。

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