僕は生が好きです。
やっぱねぇ、加工したりなんかつけたりするよりも、生が一番良いでしょ。気持ち良さが違うもん。
何の話だって?
はい、えー、と。
行ってきました。渋谷On Air West。
東野純直さんのライブです。
つうても、誰やねんこの人、と言う方が多いんじゃないでしょうか。いえね、僕がそうでした。全然聞いた事無かったんです。ごめんなさい。
うちのかみさんが昔からずっと追っかけてる人で、その伝で耳にはしてたんですが、ライブに行くまでは全然親身に聞いてませんでした。ええ、重ね重ねごめんなさい。
と言うわけで、どんな人かわからないままライブ行ってきました。臓物投げたり血を吐いたり空を飛んだりする人かな?とかちょっと期待していきました。うそです。
で、感想。
捻くれずに生きてきたさわやかなお兄ちゃん(三十路ですが)の、心温まる幸せなライブでした。
て書くと、まあ普通のライブをおざなりにまとめているような感じだな。いや、ごめん、見栄張った。ごめん、正直言います。心底感動しました。
DeepPurple,Aerosmith,MarcusMiller,CandyDulfer,Onorisa,PatMetheny,MichelJackson,etc,etc…と、数多くのライブを見てきたけど、今回のライブは本当に、「これぞライブ!」と言えるものでした。いや、マジいいよ、東野。
今回がデビュー10周年のライブと言う事で、更にはここ3年程全然曲を出してない(かみさん談)と言う事から、今回ライブに来てた客層は、昔から東野純直に親しんできた方が多かったです。ほんと、名古屋とか新潟から東野のライブのために上京してきた人が多く、今日のライブにかけるお客さんの意気込みは全くもってすごかったです。だからってダイブしたり血吐いたり臓物なげたりはしないけどね。
なんというか、ジャイアント馬場のファイトを暖かく見つめるお客さんの目というのか、お客さんが東野純直さんを優しく見守ってて、それに答えるように、そしてプロとして計算され尽くした暖かいトークとコール&レスポンス。いやぁ、ライブってほんと、お客さんとアーティストの信頼関係で出来上がるもんなんだなぁ、と感じました。良いファンに恵まれてるなぁ、東野さん。
と書くと、お客さん頼りの貧弱アーティストっぽいけど、まさかまさか。人の良いお兄ちゃんを演じながらも(いや、実際そうなんだろうけど)、その実は歌唱力、ピアノテクニック、そしてステージ演出も全てハイレベルに完成されたアーティストです。いや、こんな人がまだまだ世の中にいるんだなぁ。感動。ハービーハンコックばりに叩きまくるコードと伸びのある低音。歌が終わればマシンガンオヤジギャグ。出てくるオーラは気難しいアーティストのモノではなく、お隣のお兄ちゃんの親しみやすさ。そして実力。サービス精神。
終わった後の握手会にも行ったんだけど(かみさんに連れられて行ったんだってば)、かみさんが東野と握手してもらった後、帰ろうとした時「おいおい、そりゃないだろ、君もだろ!」と呼び止められ、僕も握手してもらいました。なんだか、すげえ幸せ。こういう人柄が愛されるんだろうな。
人柄も良く、実力のあるアーティストと、それを10年見守ってきたファンとのコラボレーション。
ほんと、幸せな2時間半でした。
とにかく、聴いたこと無い人は「砂漠に花を」を買ってきて、聞け。んで、泣け。ライブで聞いて涙出てきたよ。ライブで初聴して泣いた曲ってはじめてだよ。
いろいろ書いてるけど、特に思った事は、東野純直の歌って、歌詞がすごく聞き取りやすいのね。これって、結構大事な事だよ。いや、まあ当然何を歌っているのか聞こえない人ってのは論外なんだけど、歌詞が言葉として生きて届く人って、歌手の中にもあんまりいないんだよね。
言葉に力がある、伝え様としてる、前に声が飛ぶ、心がこもる、いろいろ言い方はあるけど、言葉を発して、余すところ無く言葉のもつ力を相手に響かせる力が東野純直にはあります。それは人柄もあるだろうし、10年来の蓄積による技術力もあるだろうし。ちょっと真似してみよう、で出来るレベルじゃない歌の凄さを感じました。
言葉を操る仕事につく人は、歌う事が出来ないと駄目だな、と思いました。言葉を歌にして届ける事の出来る人には、どんなライターもかなわない。
ライブ終わった後、「明日からがんばろう」と素直に思えました。で、素直にそれを実行できるエネルギーを貰いました。
東野さん、今度一緒に酒呑みましょう。おごりますから(読んでないって)。