Marcus Miller Projectの話

古い話なのですが、一人でも共感してくれる人が居ると信じて。
僕はとにかくMarcus MillerというベーシストとDavid SanbornというSaxプレイヤーが大好きでして。(大好きなものが多すぎます)
90年代初頭(高校時代)はそれこそ来日ごとに追いかけてました。
その中でも、今は無きJazzフェス、Live Under the Sky’92のオオトリは珠玉のライブでした。未だに僕のベストライブはこの「Macrus Miller Project」です。
その時の音源は、いまや日テレで後日放送されたこともあり、一曲を除いてYoutubeにも多くあがっています。「Sn
akes」や「Ramblin」「Strait to the heart」。今聞いても全て涙がちょちょぎれます。
そしてMarcus & David Sanbornファンなら当然「あれ、あの曲が無いの?」と思われる曲。それこそが、唯一放送されなかった「Run for Cover」です。
91年にもこの曲は演奏され、そちらも名演でした。そちらはYoutubeで素晴らしいパフォーマンスを見られるのですが、92年のハイアレンジ版は全く手に入らず、僕もあきらめてました。
今日、散歩中にYoutubeを見ているとふと「run for~’92」という文字が見え、再生してみるとこれが見つかるじゃないですか!思わず小躍りしながら散歩しました。
今見ると、思い出補正が掛かっているからか、それほどテンポが速くなかったんだなーとか、それでもオマーのドラムはめっちゃ跳ねてるなー、とか、セスが何気にめっちゃいい仕事してる、とか、ここにもしハイラムが居たら壊れてるだろうなーとか、いろいろ想像してしまいます。
そんなわけで、ご興味深い、Jazz&fusion&Funk好きな方に向けて。
Run for cover ’92 です。
s.David Sanborn / Key.Phillipe Saisse / Key.Derom Johnson / G.Dean Brown / B.Bcl.Marcus Miller / Ds.Omar Hakim / Perc.Don Alias
Michael ‘Patches’Stewart

The dukes of September rhythm review

ショータイム!
 来る11月1日、武道館にライブを見に行きました。
 その名も「The dukes of September rhythm review」。
 多分ほとんどの方が聞いたことのない名前だと思います。はい、僕も今回の公演まで知りませんでした。簡単に言うと有名バンドのメンバーを集めた夢セッションということです。こういうの、ハズレも多いんですけどね。
 でも、そのメンバーたるや、一代のAOR好きからすると垂涎のメンバーで、今回は本当に大正解でした。いやー、不況が産み出した幕の内弁当的な盛り合わせと揶揄される事もありますが、こういう形でファンをまとめて集客してくれるなら僕は何も言いません。
 メンバーは総勢11人ほど居ましたが、その中で名前を張っているのは・・・
 今回の僕のお目当て。ドナルドフェイゲン

 このブログのタイトル「RoyalScam~幻想の摩天楼」の生みの親ですよ。初のお目見え。こんなに緊張する事はそうそうありません。もうこの方のファンになって20年、今回の機会を逃したらもうポックリ行くんじゃないかと不安もあり、万難排してはせ参じました。
 そしてもう一人のお目当て。マイケル・マクドナルド

 一時のフェイゲンの盟友でもあり、そのハーモニーを全世界にとどろかしたホワイトソウル歌手。この二人がアルバムどおりのメンバーで「Peg」を演奏してくれたら、僕はもう死んでも良いと真剣に思ってました。今回、セットリストを前もって見ていたのでこの曲を演奏してくれることは大体見当付いていたのですが、それでも、本当にしびれました。

 そして三人目はボズスキャッグス。「We are all alone」の大御所といえばお分かりの方も沢山いらっしゃるかと思います。

 今回はこの名バラードを封印しての参加でしたが、やはり日本での人気は本当に高い。一番拍手もらってたのは彼だったと思います。
 そのメンバーに、ジョン・ヘリントン、マイケル・レオンハートと、1ドラム1ベース、3キーボード2ギター、3ホーンの2コーラス3ボーカルというとんでもない贅沢編成。これでAORの名曲を連発されると、僕は失禁状態に陥ります。
 いや、本当に、身体がしびれて腰骨辺りからこみ上げてくるものがありましたよ。ライブってのは舞台芸術の一つ、その場で体感しないと、消えてなくなってしまうのです。その瞬間を楽しむ、言ってみれば男女の楽しみに近いものじゃないかと思います。
 一番、僕が心を打たれたのがこの曲。生涯で一度生で聴きたくて仕方なかった曲。まさか、本当に演奏してもらえる日が来るとは。
 「Next, SteelyDan’s song…」とのフェイゲンのつぶやきから、鍵盤を叩かれて出てきたのはあのフレーズ。そう「Kid charlemagne」でした。 

 もう、何にもましてこの曲が好きなんです。1976年作のアルバム「Royalscam」のオープニングナンバー。僕はこの歌詞を心に刻みながら今も生きてます。19で心打たれて、はや20年。あの頃から僕は成長していません。
 本当に、何より、ドナルドフェイゲンが今も現役で活動して、目の前で演奏してくれている、そのことが何より嬉しいのです。身体を硬くして前後にゆすりながら生ピアノを演奏する姿、全く日本語でコメントしない不親切さ、観客には一瞥するだけで演奏を楽しむシニカルさ。その全てが愛せる職人なのです。
 本当に、いけてよかった。楽しめてよかった。このメンバーのファンでよかった。
 真剣にそう思うライブでした。
 次に来日するのは、10年後か・・・というか早くSteelyDanのアルバム出してくれ。

So won’t you smile for the camera…I know I’ll love you better

 何度も書いていることですが、ここは僕の個人的露悪趣味ブログではなく、あくまでもアメリカのバンド「Steely Dan」のファンサイトです。10年前からそう言い続けています。皆さん聞いてますか。
 そう受け取ってくれている人は閲覧者の一割も居ないでしょうが。
 いいんです。先進めます。
 今日はちょっとポエミィなRoyalScamです。
 
 僕の大好きな名曲 「Peg」。
 アダルトでジャジーで、良質なコラボレーション。
 SteelyDanの楽曲は、基本的にあまり遭遇することの少ないシチュエーションの歌詞や、あり得ない様なラブソングが多いです。「ハイチ式離婚」だの世界チャンピオンの精神世界が崩壊するだの、大人の小道具を使った中二的世界。
「Peg」も同様。歌詞はいつもながらにシニカル。
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【原詩】
I’ve seen your picture
Your name in lights above it
This is your big debut
It’s like a dream come true
And when you smile for the camera
I know they’re gonna love it
I like your pin shot
I keep it with your letter
Done up in blueprint blue
It sure looks good on you
So won’t you smile for the camera
I know I’ll love you better
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和訳
君の写真を見たよ、
写真の上に、君の名前が光ってたね。
君もついにデビューしたんだね。
夢がかなった、と言っていいかな。
カメラに向かって微笑む姿、
みんな君のこと好きになると思うよ。
君のピンナップも気に入ったよ。
君の手紙と一緒に取っておくよ。
blueprint blueだね。
君、良い表情しているよ。
カメラに向かって微笑んでごらんよ。
君のこともっと好きになりそうだよ。
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 一見、何ということは無い歌詞。
 いろんな解釈があります。昔の知り合い、別れた彼女、恋焦がれた人、が、夢をかなえて銀幕デビューした、それをポスターや映画で見て追想している男、という歌です。うん、いいねぇ。大人になるとはこういうノスタルジーを感じることです。
 が、この歌詞にはトリックがありまして。
 ポイントになるのはblurprint blue、の部分。
 blueprintの意味は・・・「人生の青写真」あるいは「ポルノ映画」
 このどちらをとるかで、この歌詞の解釈が大きく変わります。
 1・古い恋人の君が、人生設計どおり、銀幕デビューしたのを見たよ。
 2・可愛い君が、ポルノ映画で活躍しているのを見たよ。
 このダブルミーニングを同時に軽やかに歌い上げるのがこの曲です。
 どちらの解釈かで、歌詞の中の「It sure looks good on you 」の味も全然変わります。
 そう、このシニカルな変調加減こそがSteelyDanの魅力。
 Blog始まって以来初めて正しいSteelyDan論を語ってる気がする。
 で、一般的な分析はそこまでとして。
 最近、ヨシナゴトの中で、この歌詞を深く堪能できる事がありました。
 そう、知る姿を画面に見ながら、物思いと、倒錯した恋慕に耽るような出来事が。
 ・・・あ、だからって、さすがに昔の恋人がポルノスターになるような出来事は起こり得ません。そっちじゃない方の解釈です。残念ながら。
 彼女の姿を見てて、応援すると共に、切ない感情も僕に渦巻きました。
 自分の矮小さや、小さな独占欲や、平静を保とうとする理性。
 大人になるって、こういうことなのね。
 新しく味わえる感情。楽しい欲求と激しい理性。それを客観的に堪能する自分。
 大人になってたつもりでも、バランスを崩しそうになりました。自分らしくも無い。秋だから感傷的になってるのかもね。
 生きてるのは、甘酸っぱくて、楽しいものです。

Web動画と紐育市少年と乙女巨大店と主人の声

 渋谷のHMVが撤退だそうで。
 店舗のウツロイは、特に今のご時勢の中ではもう仕方のないものとして、自分の好きな店がいつの間にかなくなったり、新しい流行にうつったりするのには慣れっこなのだが、渋谷で仕事をするようになってから5年。休憩時間や仕事上がりにちょっとよることもあり、何かと感慨深い。
 昔はこれでも音楽少年であり、CDをわんさか購入してました。
 DiscUnionやタワレコ、場末のJazzレコード店…CD店にはいろいろと通いました。
 僕が一番好きだったのは今はなき新宿のヴァージンメガストア。音楽好きな18歳の富山からの上京少年にとって、花の都新宿での巨大店舗はあまりにも魅力的でした。試聴ブースや音楽雑誌のコーナー、ハイセンスに並べられた大量のCD類。こじゃれていて、音楽知識も豊富な店員さん。一日居ても飽きなかった。大学浪人時代、毎日のように通っていました。丸井の1階に大きく「Virgin」のマークが掲げられていたのは、もう10年近く前の話なんですね。
 閑話休題、昨日のブログでもちょっと話したけど、2000年前後、Web上でPVが見えることに衝撃を受けたことが、このHMVともリンクしてまた思い出されてきまして。
 暑い夏の日だったと思います。パソコンをいろいろいじっていて、RealPlayerなるものをダウンロードして遊んでいたとき、ぱっと見えてきたのが「NewYorkCityBoy」のPV。
 PVもJazz系をはじめ、いろいろ集めていたため、「うわ、こんなもんただで見れちゃっていいの!」「これ犯罪じゃないの?」「これ普通に見えたらもうCD屋いらなくなるんじゃない?」なんて真剣に興奮しながら何度も何度も再生し、他のPV動画も必死に集めていました。当時はWinAmpなんてソフト使ってたなぁ。今でもあるんだっけ。
 その4年後、僕の思い出のヴァージンメガストアが新宿から退店。東京でその話を聞いたとき、寂しさとともに、「やっぱりネットの影響は大きいのかなぁ。喜んでネットからDLしてたけど、それは業界全体にとってどうだったんだろう。」と考えることもありました。
 
 そして今日、HMVが渋谷から退店のニュース。
 いまやニコニコやYoutubeさえも枯れた技術。Ustreamが蕾から花へ。著作権の問題は多々あれど、音楽を聴く&手に入れる環境は当時と大きく違います。時代は本当に、大きく変わっているのだと思います。
 Virginで感動していた少年は、巨大音楽産業の時代からピアツーピアの時代を経て双方向インフラを手に入れる時代へ、マス経済のバブルからミニマムブランディングの世界へと泳ぎつづけてきたのです。
 You feel the deal is real you’re New York City boy
 So young , so run into New York City…

10/80

 気がつけば2010年代に入り、わが青春の90年代さえも過去の遺物になってしまいました。
 でも僕は90年代よりも80年代が大好きで、あの浮かれまくってたパステルカラーとバブリーで軽薄な世界がもう一度来ないかと未だに期待しているのです。16歳の少年に89年は輝かし過ぎたのです。





Human Nature in the mirror

 6月25日 Michael Jackson 死去。
 そのことを理解するまでかなり時間がかかりました。
 最近僕と親しくなった人はご存じないかもしれませんが、僕は大の洋楽ファン。(そもそも洋楽、と言う区分け自体好きではないですが、海外の、特に70’ 80’代に好きな曲が多いのです)
 特にBLACK CONTEMPORARY(この言葉古いな)、R&B系は祭囃子と並んで血肉になっています。MTVは欠かせない。中でもMichaelJacksonは、SteelyDanやPrince,Earth Wind &Fireと並んで僕の最も敬愛するアーティストでした。大学時代は友達とマイケル話だけで朝まで盛り上がることができました。パン!茶!宿直!(違う)
 92年、95年と来日するたびに東京ドームまで見に行きました。
 アルバムももちろん全て持っています。iPodにも全て入ってます。
 何曲かはカードを見なくても歌詞が書けるくらい聞き込んでます。
 スリラーをはじめ、PVも持ってます。(VHSだからもう見られないですが・・・)
 ディズニーランドで一番好きなアトラクションは未だにキャプテンEOです。
 はじめにマイケルのことを知ったのは87年のBad Tourのときです。
 当時僕はブラスバンド部に在籍して、マーチングをはじめ音楽とステージングに興味を持ち出していたときでした。何気なくつけたテレビにマイケルの日本公演が映っていて、その圧倒的なパフォーマンスに、「あんた一時間ほど口がポカーンと開いていたよ。(母親談)」といわれるほど釘付けになりました。本当に、一瞬で虜になったのです。
 その頃から20年、ずっとマイケルは生きてたし、新しい曲を生み出してくれていたし、いつもニュースになっていたし(良くも悪くも)、きっとずっと存在しているものだと思ってました。
 マイルスデイビスが亡くなった時も、フレディマーキュリーが亡くなった時も、いろいろと衝撃を受けましたが、今回のマイケルのインパクトは比較になりません。友人と話題に上った数、聞き込んだ量、ライブで衝撃を受けた量などが比類なく僕の中に入っているのです。
 マイケルの歌について語りたい事がたくさんありますが、まずは何より、好きな曲を伝えます。
 有名なThrillerもBlack and WhiteもBeat itも好きだけど、
 Rock withYou,Smooth Criminal,Billy Jeanも好きだけど、
 それ以上に、
 マイケルの中で僕がフェイバリットとして称える3つの曲があります。
 マイケルの真骨頂はゴスペルバラードにあると信じています。
 僕が人として踏み外さないための、規範にもなってくれている曲。
 LoveSongでも応援歌でも感情歌でもなく、ただ人として、
●Keep the Faith

●Human Nature

●最高峰はこの曲。題名は曲の後で。
3分18秒目からの階段を駆け上がるようなクライマックスに痺れます。

人としてのあり方、博愛、許す事、慈しみを感じる歌手でした。少なくとも僕には、彼にどんなゴシップが付きまとおうとも、上記のような歌が歌える人であればそれでもう信じるに足る人物でした。真実がどうかは関係なく、僕が感じたことが僕にとっての全てです。
 僕は大学時代合唱団に属していました。
 いくら「酒と女性に釣られて大学で合唱団に入ったんだ。本当は合唱なんて嫌いなんだ」と言い張っていても、心のどこかでは合唱の力を感じていたのだと思います。
 僕が最終的に合唱団に入団した決め手は、上記のような曲から感じていた歌の魅力、だったんだと思います。間違いなく。
 泣けてきた。合掌。

清志郎 天国へ

 ニュースブログのような見出しですが、今日はさすがにこれがショッキングすぎて・・・。

ロック歌手の忌野清志郎さん死去、58歳

意外かもしれませんが、忌野清志郎、好きだったんですよ。

 高校時代にライブ版を友達に借りてから、ずっと愛聴してました。
「い・け・な・い・ルージュマジック」「雨上がりの夜空に」「スローバラード」「トランジスタラジオ」「僕の好きな先生」・・・今でも、全部iPodに入ってます。

 特に「僕の好きな先生」は、教育産業の端っこに居るものとして、「こういう人になれたらいいなぁ」という一つの指標でしたね。というか、この歌、思いっきりうちの親父(反面教師)まんまですが。ええ。

 そんな清志郎も鬼籍に入る年になってしまったのね。。。
 それでも、清志郎のもつブルースの感情は、ずっと感じ続けていきたいです。

 Wikipediaにも載ってるけど、僕の好きなエピソード。

(「夜のヒットスタジオ」に出演時、テレビカメラに向かってガムを吐きかけるなどの悪ふざけをしたことに関し、「自分に社会性はあると思うか?」という雑誌のインタビューに答えて)
「あるよ。ある予定なんだけど、残念ながら社会の方にないみたいね(笑)。」

自信を持ってこう発言できる大人になりたい。全うな大人でありたい。

やさしい音色

 チャック・マンジョーネと言う金柑走者が好きです。あ、漢字間違えた。金管奏者ね。
 フリューゲルホルンと言う楽器の特性もあるんだろうけど、音が柔らかくて優しいのね。彼の演奏を聴いてると、気持ちが穏やかになってくる。ホッとします。初めて聞いたのは中学2年のときかな。ブラスバンドに全てをぶつけてた頃です。先日Youtubeで十数年ぶりの再会を果たしてから、ただいま彼の音色にハマリ中です。
 優しい音色を求めてしまうとは、僕は疲れているのかしら。
 コレを読んでいる女性の皆様は僕に優しく接するといいと思いますよ。ええ。
 良い感じ。Feels so goodです。

ボトム好きにたまらない映像集

 楽器は全然弾けないけれど、ベースとドラムが大好きです。
 超絶技巧、変拍子マニアックスな人たちの映像を見てはニヤニヤしてます。
 今日の覚書「Dream theater ポートノイ氏の複雑怪奇あり得ないドラム」

ベース界の魔人ブゥ「Bill dickens氏の変態ウォーキング」

どうしても彼を外せない「御大マークキング氏の桃色ソロ」

1分10秒~15秒のキメで死ねる「デイブウェックル氏のキメキメドラム」

チックコリアのスペインをボトムラインだけで「Brad Russell & Steve Smith」

おまけ:速弾キーボード「Rick Wakeman Solo」