品格と言う言葉

 が、嫌いです。
 いや、本当は好きですよ(どっちやねん)。大好きと言うか、非常に意識して生活しなければならない言葉だと思ってます。
 が、あまりにも容易く使われすぎている今の品格と言う言葉が嫌いなのです。
 そんな簡単に言える言葉じゃないでしょう。
 普通の生活で使ったら気恥ずかしい言葉でしょう。
 何も恥ずかしくなく、堂々と街中、本屋で「品格」と言う文字が並んでいるのを見るたびに、げっそりとしてしまいます。
 閑話休題。「品格」と「品性」と「品行」と言う言葉の使い分けがなくなってきている気がします。品性も品行も品格も、同じ語彙で使われている、または差し替えても文意が通じてしまう事が多くないですか?
 品性は畢竟「思いやり」と「自制心」。それを行いに出すのが「品行」だと思ってますが、合ってるかな?
 その昔、作家の山口瞳さんが、知り合いの映画監督に「山口君、人間は少しくらい品行は悪くても良いが、品性は悪くなっちゃいけないよ」と言われた逸話がありますが、僕はこのエピソードが凄く好きなんですね。まあ文意を穿って取れば「行動で失敗してもまあしゃあない。気持ちがなくなっちゃぁお仕舞よ」と言う事でしょうが。わはは。
 僕は頭も悪いし、言葉遣いが雑だし、それで人を傷つけてしまうのは十代の頃からの悪癖なのだけれども、それでもなんとかここまで生きてこれたのは、せめて品性だけは良くしていきたい(できてないけど)と思って生きていたからじゃないかと思ってます。いや、単純に品行が悪い言い訳かもしれませんが。
 品格はその品行、品性を長年保ってきた人のみが身につけることの出来る風格。
 そんなもん、昨日今日で身につけられるわけも、また語れるわけもないじゃないですか。
 ああまた「そんなもん」なんて言葉を使ってしまった。こういう言葉の雑さが、最近とみに気になってます。自分のサイトを始めた頃(2000年初頭)あたりは、まだ今以上には気配りができていたと思うんだけどな。年を取るとこういうところも雑になって行くのか。髪の毛の生え際同様に。

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