長年の夢

 元気を取り戻し、大分時間が経過しましたが、その間にあった大きな出来事について。
 いや、まあ、大きな出来事、と言ってもあくまで個人的な大事件なのですが。僕の人生としては十指に入る位大きな出来事です。
 もう、いやになるくらいこのブログに書いてますが、僕は地域の祭り、神社、といったものが大好きです。特に曳山と獅子舞については、何をおいても駆けつけるくらいの大好物です。
 関東に住み始めて20年。休みの日にはあちらこちらの曳山をカメラ片手に見に行くと言った趣味もあり、今では僕の人生のフィールドワークの一部として祭りが根付いています。
 そんな僕の人生に大きな影響を与えた、そして僕が最も愛している、祭りの原風景ともいえる祭りがこの、富山県 伏木神社例大祭 通称「けんかやま」

6台の曳山を町中引き回し、その中ではお互いにぶつけ合って熱狂する「けんかやま」の名に恥じない喧嘩祭りです。
Links to けんかやま公式Webサイト
あまりに好きすぎて自分でファンサイトを作り上げるほどでした。
Links to けんかやまファンサイト
 毎年この祭りの日には地元に帰り、親への挨拶もそこそこに(親不孝モノ)、祭りを見に行って深夜まで曳山をおいかけていました。そう、この祭りは、厳密には僕の地元ではなく、祖母の地域、いわば隣町のお祭りだったのです。
 この祭りも200年近い歴史を誇る伝統祭です。地元民により継がれてきた行事であり、隣町の人間であっても、むやみに曳山に触ることすら、許されてきませんでした。
 さらには、女性が曳山に触れるのが許されたのはなんと2002年!200年間女人禁制のまつりでもありました。
 僕は昔からこの祭りが大好きで、隣町の住人にもかかわらず参加したくて堪らなく、「将来は伏木の町に家を建てて曳山を曳くんだ」と大きいのか小さいのかよくわからない夢を語り、その夢に向かって?まい進する人生を歩んできました。
 とはいえ、「伏木の町に家建てる」と言う事が夢としてはとても微妙で、愛媛出身の子と結婚したり、東京で職を見つけたりするうちに、人口数千でコンビニすらない(本当にない)伏木の町で暮らす、と言う事の非現実性に気がつき始め、いつしか「僕は曳山を曳くことは出来ない、ずっと見学者のままなんだろうなぁ」という気持ちになっていました。
 しかしながら、過疎化の影響から、幸か不幸か、伏木の町の祭り参加人数も減少してきており、外部の人を受け入れるようになってきた、という声が聞こえてきたのです。
 祭りを愛する人間としては、外部の人を引き入れなくとも、地元の人たちだけで継いでいけるにこしたことはないと思ってますが、それはそれ、これはこれ。僕にとっては朗報でした。
 とはいえ、東京での仕事が忙しかったり、何かと入用で、祭りに参加すること自体は「いつか参加できるだろうな」という安堵感とともに、大人のオトコの夢としては、どこかに置き忘れてきたような心持になっていました。
 が、去年、震災があったり、自らも病に臥したりと身の回りが変化しており、「自分の夢も果たしていかないといけない」と思いはじめ、祭りの実行委員会にメールで参加希望の旨を伝えてみました。
 答えはアッサリしたもので
「曳山をひきたいという件については、各町制限はありませんから大丈夫です。ただ法被がないとひけません。私の町内は湊町ですが、よろしければ準備させていただいてもかまいませんが。」
ええええええええ。法被?そこ?そこ問題なの?いいから、法被とかいいから。何着でも買っちゃうよ。法被用意して参加できるならいくらでも用意するよ!
というわけで、なんと、38年の夢が叶い、僕は曳山を曳く事に。祭りに参加させてもらう事になったのです。これを幸せと言わずに何という。僕にとっては夢の舞台です。これ以上の幸福はありません。
けんかやまの写真
 いや、もう、祭りって本当に素晴らしいですね。ドーパミンやらアドレナリンやら、脳内物質が出まくりました。曳山を曳いているだけで胸にじーんとこみ上げるものがある。曳山のぶつけ合いをしていると生きてる実感が沸き起こってくる。もう多幸感溢れる、本当に素晴らしいひと時でした。38年生きてきて、今が一番幸せなんじゃないかと思ったくらい。曳山の上で舞っている時、真剣にそう感じました。(写真の「この人」と書いてあるのが、一番イっちゃってる時の私です。)
けんかやま 夜への情熱
 地元の公民館で食事をしたり、着替えをしたりというその一つ一つの所作がもう嬉しくて仕方ない。何度も書くけど、ここまで幸せなひと時はそう感じたことが無い。
 今、東京に帰ってきて、放心状態です。とはいえ、充実感満ち溢れていますので、明日からも元気にがんばります!

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