女子会と会話


かみさんが衣装を作りました。衣装の元はこんな感じです。

Twitterから話が始まり、Twitter経由で引き受けて、都内で打合せして、作って納品。今はどこで何がつながるか本当にわからない時代です。ちょっと独り言をつぶやいて、それに誰かが反応して、気がつけば御縁が広がってる、そんな時代に生きてると思います。
まあ、それはいい。そんな真面目ぶった話は抜きにして。
先日、この衣装を作ったかみさんは依頼してくれた女性お二人に衣装をお渡しに新宿行ってきたんですよ。
ただ渡すだけもなんですから、女性三人で女子会的なムード。衣装の試着もするから、個室をご用意いただいて、そこで女性ばかり水入らずで、きゃいきゃいと仲睦まじく楽しく過ごしてきたそうです。
自宅に戻ってから、そのときの感想を聞きました。
うちのかみさんはいろいろ事情もあり、基本的に人と接することが極端に少ないため、こういった機会は年に1回あるかないかです。女子会なんて人生初めてじゃなかろうか。人とコミュニケーションを取る事に関して一切を遮断して生きているうちのかみさんにとって、今回の経験は非常に面白いものだったようです。
その時の感想で、僕が、感銘を受けた一言。
「私達、13年くらい、真面目な会話しかしてこなかった気がする」
ここでいう真面目、とは法的に違反していない、とか常識的、とかそういう事ではなくて、会話というものに対する姿勢の話です。うちのかみさんと僕が会話してる内容そのものは毎日エログロナンセンスなものばかりです。
少しばかりうちのかみさんの日記をmixiから引用。本人了承済み。
僕に負けじと文章が長いかみさんです。
————
で、この試着→写真撮影以外の時間は「女子会」だったんですが、世の中の普通の女性
というのは、通常とてもゆる〜いお話をしているのですね。
まあ、今回のメンバーが、「知人以上・友人未満」のような距離感の関係性だったので
(ああ。そういえば、皆デジハリ卒業生っていう共通点はあった! たぶん偶然だけど)、
そんなにいきなり深い話もしないだろう…、っていうのもありますが、それにしても、全般に
ワイドショー的な話とか、何と言うか本当に「ゆる〜い」会で、それがわたしには新鮮というか
今まで経験のない楽しさだったというか、おもしろかったです。
たまに会うリアル友人は、わたしがこのとおりド真面目なことを踏まえてくれてか、あるいは
相手も「類友」で普通に真面目だからか、すごく真面目な会話をするんです。
それは、「深刻な悩み」とか、「エグい愚痴」とか、暗いということではなくて、普通に近況報告
などをし合って楽しいんですけど、でもやっぱりすごく「真面目」なんです。
話にはちゃんと起承転結とか因果関係とかがあって、お互いに励まし合ったり、何と言うか、
すごく「意味・内容がある」。
友人とは、そういうふうにしか会うことがないので、「意味もない・生産性もない」話題だけで
何時間も、女の人同士は会話することができるんだなぁ、と知って、ちょっと目からウロコ
でした。←あれ? それが標準?・笑。
————-
まあ、文章の論旨を見ていただければそれだけでも十分お分かりかと思いますが、うちのかみさんは僕に輪をかけて論説口調というか、説明調、因果関係重視派、雰囲気だけの会話が出来ない人、なんですね。
更に、僕もそういう会話が出来ない。論理的な思考方法が出来ないくせに、なんとなくの「あー、わかるー」的な会話だったり、「ウェーイ!」といった一発飲み会盛り上げ系の会話が全く出来ないのですよ。
すなわちコミュニケーション能力皆無。面白い会話なんて出来ない引き篭もり系男子です。
そんなうちのかみさんと僕が結婚してうちに引き篭もってるとどんな会話になるかと言うと・・・例えば昨日はなした内容は
・人生における目的と収入及び労働の関係性とは
・教育における親の影響力の有効範囲について
・KinKiKidsにおける光一のポジションとバタイユのエロティシズムの関係性
・明日のお弁当におけるモティーフと2重膳のデザイン性について
なんてことになるわけです。息苦しい。
でも、そんな環境が13年間続いてても、お互い何も違和感を感じてなかったんですね。
僕もかみさんも、お互い会話というのは論旨があり、初文と結論があってその間に論理的整合性が保たれていないと話をしてはならぬというなんとなくの不文律があり、「何故今トイレに行かなくてはならないのか」「何故今日の晩御飯はハンバーグなのか」といった事に対して、逐一説明と解答がお互いに話されていたのです。この会話続けてると、正直、生き難くなります。
今回、女子会を経験して、うちのかみさんは新たな境地に達した模様です。意味の無い、生産性の無い会話、これが如何に大事な事か。それに気がついてくれた模様です。

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