独立初年度、僕は「ハロワ営業」というものをやっていた時がある。
まあ職業紹介所からすると噴飯物かもしれないけれど、生きるためだ許してくれい。
まずハローワークに行く。
映像関係のプロダクションを探す。できれば小さいところがいい。
最初の面接から社長レベル(決済者)が出てきてくれることが必要だ。
で、面接に行ったら、まず一言目「僕、就職する気ないんです」からスタートし、
自分の実績、技術を説明して「外注として使ったら社員にするより得ですよ。一緒に仕事しませんか」と持ちかけ、そのまま取引先になってもらう、という技です。
向こうには「必要な時だけ仕事を振れる」から不必要なコストはかからない。メリットしかない。僕も取引先が増える。メリットしかない。100社くらい社長に顔覚えてもらえれば、月1本〜2本くらいは仕事が来る。
だって紹介所って求人してるところが札を出してるわけでしょ。仕事があって人が足りないわけでしょ。営業先の宝庫じゃないか。スキルを売る個人事業主としては最強の営業先リストじゃないか。しかもメールアポとか全部すっ飛ばして最初から面接。使わない手はない。
当然、会社のマインドに合う「社員」を求めているところもあるわけですから、打率としては5割も行けばいいところ。
とはいえ、どの社長にも「面白いやつだな」と顔を覚えられていることには成功している。
意外と僕にはこういう図太さがある。多分自営の親譲りだろう。
仕事に困ることがあれば、またこういう仕掛けを思いつくであろう自分を(ちょっとだけ)信頼しているところがある。
真正面が渋滞してれば、脇道を選べばいいじゃない。
生きていくことはできるはずです。